5回2死一塁3ボールから“申告敬遠”…塁埋めず進めた中日・与田監督 奇策だが下策とは言い切れない決断

2020年9月28日 11時17分

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5回裏、岡本に適時打を浴びた2番手の又吉。厳しい表情でベンチに戻る

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渋谷真コラム・龍の背に乗って


◇27日 巨人5-1中日(東京ドーム)
 1回に打者3人、8球で奪われた2点は、忘れるしかなかった。大事なのは「次の1点」。中日が取れば勝てたとまでは言わないが、取られればまず負ける。だから与田監督は勝負手を打った。5回、2死一塁。3ボールになったところで坂本を申告敬遠し、松葉から又吉に代えた。通常は空いた塁を埋めるのに、進める敬遠。「松葉―坂本」を避けて「又吉―岡本」を選んだ理由を、与田監督はこう説明した。
 「てんびんにかけられる打者じゃない。2ボール目が抜けた球だったので、坂本との勝負は厳しいな、難しいなと」
 外角に外れたツーシームを松葉の危険信号と受け取り、3ボールからストライク欲しさの一球を長打されるリスクを回避した。「次の岡本が楽(だと考えたの)ではない」とも。
 塁を進める敬遠は奇策ではあるが、下策とは言いきれない。松葉に対して「坂本は四球容認ではなく勝負」を指示し、なおかつ又吉の準備もできていたのなら理解できる。前にも書いたが、松葉が悔し涙を浮かべようとも動くときは動く。ベンチを預かる人間の野球勘の問題であり、吉と出れば選手の手柄、凶と出ればベンチの責任。ちなみに今季の松葉は対坂本が9打数3安打、岡本が8打数3安打で、又吉はどちらも対戦なし。この時点での2人の打率も同じ2割7分8厘だった。
 「又吉の(横手投げの)フォームも含め、3点目を防ぎたかった」という与田監督の一手。しかしカウント2―2から、捕手の内角要求が甘く入り、岡本に右中間に打ち返された。あとは巨人の選手がのびのびとバットを振るのを見るだけだった。
 シーズンは早い。東京ドームでの12試合は5勝7敗で終えた。黒星はすべて先発投手についている。この日のように、序盤に主導権を握られ、そのまま寄り切られる。ナゴヤドームで10月には高木守道さんの追悼試合を含む最後の3連戦。全勝して五分となる。そのときに初めて「善戦」だと言いたい。

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