議場にケータイ 「OK?」 議論モード 石川県内自治体 割れる対応

2020年9月27日 05時00分 (9月27日 11時57分更新)
議員同士の申し合わせで本会議場への携帯電話持ち込みを禁じている石川県中能登町議会=25日、同町で

議員同士の申し合わせで本会議場への携帯電話持ち込みを禁じている石川県中能登町議会=25日、同町で

  • 議員同士の申し合わせで本会議場への携帯電話持ち込みを禁じている石川県中能登町議会=25日、同町で

専門家「時代に合わせ見直す時期」


 石川県の自治体議会で、本会議場での議員のスマートフォンなど携帯電話の扱いを巡り、議論が起きつつある。現状は、円滑な議会運営のためとして議場への持ち込みを禁じる議会がある一方、音が鳴らない状態(マナーモードなど)に限って持ち込みを認める議会もあり、対応が分かれる。各分野でタブレット端末など情報通信技術(ICT)の導入が進む中、専門家からは時代に即したルールへの見直しの必要性を指摘する声も上がる。(稲垣達成、写真も)
 同県中能登町議会で十七日にあった本会議の一般質問。同町議会は議員同士の申し合わせ事項として本会議場への携帯電話の持ち込みを禁じているが、ある議員が自席でスマホを操作していた。
 議場の様子は町のケーブルテレビで放映され、視聴した町民の間で話題に。町内のある男性(70)は「執行部と真剣にやりとりする場でスマホをいじるとは信じられない。調べごとだとしても一般町民にはそう映らない」と疑問を呈した。
 この議員は取材に、スマホの使用を認めた上で「他の議員の質問を聞き、調べ物をしていた」と釈明。作間七郎議長は「会議に必要な資料を除き、持ち込みはだめと決まっている。徹底させる」と語った。
 県内で本会議場へのスマホを含む携帯電話の持ち込みを禁じているのは県と十市町の議会。残る九市町議会は議事進行の妨げとならないよう音が鳴らない状態にした上で持ち込みを認めている。ただ、羽咋市議会事務局の担当者は「(禁止を)明文化していないだけ。暗黙の了解で控室に置いていく議員もいる。使用は認めていない」と話す。
 一方、紙製だった議案書などのペーパーレス化を目指し、自席にタブレット端末を導入する議会もある。二〇一四年度に県内で初めて導入した内灘町議会では、議員が一般質問の原稿作成や調べごとなどに使っている。議会事務局の担当者は「タブレットは議事進行に欠かせない。携帯電話は持ち込めるが、タブレットがあるため議場でスマホを使うことはない」と語る。同町以外でも複数の議会で導入は進んでおり、導入へ向けて研修会を開いている議会もある。
 スマホなどの有用性を認めつつ、議会という場でどう役立てるか。金沢大の山崎友也教授(憲法学)は、あらゆる分野で進むICT化の現状に触れ「(携帯電話の持ち込みを禁じる)申し合わせを見直す時期にきているように思う」と指摘。その上で「公正な議会運営のためにも、議事に関する使用に限るなど一定の制限を設けることも必要だろう」と提言する。

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