クマ大野市街地を逃走 住宅街で発見、駆除  

2020年9月27日 05時00分 (9月27日 10時04分更新)

 陽明中グラウンドや警察に出没

クマがのぞいたときの跡が残る玄関のガラス=26日、大野署で


住民に外出自粛を呼び掛けるパトカーと警戒する猟友会メンバー=26日、大野市友江で

大野市の住宅街で二十六日、クマの目撃や痕跡発見の情報が相次いだ。中心部にある陽明中学校のグラウンドなどに出没跡が見られ、大野署の玄関に迫る騒ぎも。近くの高校では予定していた体育祭を延期するなど、関係機関が対応に追われた。クマは住民に危害を及ぼす恐れがあるとして駆除された。クマの大量出没傾向に、市は対策本部の立ち上げも検討している。 (平林靖博、山内道朗)
 同日午前三時三十分ごろ、陽明町三丁目の陽明公園付近で、新聞配達の男性が体長一メートルの成獣一頭を目撃。クマは公園を抜けていった。
 午前九時前には大野署に出没。玄関の外から、ガラス越しに中をのぞくクマを署員が見つけた。クマは玄関の自動ドアに触れ、手の跡を付けて逃走。同九時ごろには陽明中学校近くの住民が目撃。同署向かいの県奥越土木事務所敷地の草むらや同校グラウンド、同校近くの集合住宅敷地内で足跡が確認された。
 午前十一時四十分ごろ、同校付近の住宅街でクマを見つけ、県猟友会大野支部のメンバーが駆除した。市などはいずれも同じクマとみている。
 現場に近い奥越明成高校は体育祭の予定だったが、準備していた生徒らを教室に待機させた。午前十時半ごろに延期を決め、保護者の送迎による下校を呼び掛けた。現場は市街地とあってクマの逃走中は厳戒態勢。猟銃を持った猟友会メンバーが住宅街などを捜索した。市は防災無線や広報車で注意喚起。大野署もパトカーで、住民らに外出自粛を呼び掛けた。

 山中のエサ不足 大量出没の恐れ

 大野市内ではクマのエサ不足が指摘され、出没件数は、今年と同様に大量出没年だった昨年を上回るペース。市は注意を呼び掛けている。
 市内の四月から九月二十五日までの出没件数は七十五件。昨年は四月〜九月末までで五十五件で、すでに二十件上回っている。十六日に開かれた市のツキノワグマ出没対策連絡会では、エサとなるドングリが二年連続で凶作と報告された。大量出没の恐れとともに、実がならないことで肉食化が進んでいる懸念も示された。県自然保護センターでは八月に、奥越の山中でブナ、ミズナラ、コナラを調査し、エサ不足を確認している。担当者は「早朝、夕方の時間帯は、人とクマが互いを認識しづらいので注意してほしい」と呼び掛ける。市農業林業振興課でも「目撃したら市か警察にすぐ連絡を」と訴えている。 (平林靖博)

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