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待ち遠しいツアー帰還 プロゴルフ高山忠洋 目の病気で1年半以上離脱

2020年4月20日 11時18分

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優勝カップを手にする高山忠洋と梢夫人=2011年4月17日、東建多度CC名古屋で

優勝カップを手にする高山忠洋と梢夫人=2011年4月17日、東建多度CC名古屋で

  • 優勝カップを手にする高山忠洋と梢夫人=2011年4月17日、東建多度CC名古屋で
  • 自宅の部屋でバットの素振りに励む高山=愛知県犬山市で(本人提供)
  • バランスボールを使って体幹トレーニングに汗を流す高山
 ゴルファーにとって致命傷となり得る目の病気のため、2018年夏からツアーを離脱していたツアー通算5勝のプロゴルファー高山忠洋(42)=スターツ=が、はやる気持ちと不安のはざまで葛藤している。1年9カ月ぶりの復帰戦と照準を合わせていた国内開幕戦の東建ホームメイト杯(当初予定4月16~19日)などツアーの相次ぐ中止に戸惑いを隠せない。病気を公傷として扱う特別保障制度の適用を受ける今季9試合で賞金960万円余りを獲得しないと、シードを失う。ベテランに今の心境を聞いた。
 【「不安はまだ残る」】
 4月4~5日に無観客開催を予定していたツアー外競技の北九州オープンは、初日2日前に延期が発表された。久しぶりの試合出場に意気込んでいた高山は既に会場入りし、発表当日は練習ラウンドを予定していた。
 「トーナメント仕様にグリーンが仕上がっていると聞いていたので、目の調子を見る絶好の機会と楽しみにしていた。普段、練習で回るコースとは異なり、芝が短く刈り取られた試合のグリーンは、太陽に反射して白っぽく見える。ボールのスピードも全然違う。そういうグリーンでラインを読めないと試合では戦えない」
 延期の報に落胆はしたものの、大会仕様のコースを体感できるチャンスと、高山は18ホールを実際に回った。「目は大丈夫だったのでひと安心。ただ、前日に雨が降った影響でグリーンは青々としていた。夏の照り返しや日照り続きで白く乾いたグリーンにも対応できるか、不安はまだ残る」
 右目に異常を感じたのは2018年の夏。物がゆがんで見え、平たんのグリーンでも下ってから上っているように映った。病院での診断は「中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症」。網膜はく離による病気で、原因は不明だった。同年7月の長嶋茂雄招待セガサミー杯を最後にツアーから離れ、治療に専念した。「いくつか病院に行ったけど、休養と投薬以外の治療法が見つからなかった。そんな中、難しい手術になるけどやってくれるところが見つかった」
【安静の日々じっと】
 同年12月に手術を行い、成功。術後経過もよかったため、ほとんど練習もしない状態で、翌19年7月の北陸オープン、8月のフューチャーツアー北海道大会に参戦した。目の状態がよければツアー復帰を考えていたが、試合で戦えるまでには回復していなかった。
 「夏の照り返しがこたえた。手術からの回復期は1年と言われていたので、もう半年間、様子を見ることにした」。その間はクラブを握らず、復帰への焦燥感を抑えながら、安静の日々をじっと過ごした。
 年が明けた今年1月。病院の検査で多少の後遺症は残るものの、ゴルフができる程度に治っていることを確認した。それから国内開幕戦を復帰戦と目標を定め、本格的に練習を始める。先輩の谷口徹が主導する宮崎合宿に参加し、若手の小鯛竜也らと競う中で勝負勘も養った。
【外出控え自宅トレ】
 そんな中での新型コロナウイルスの感染拡大だった。ツアーの相次ぐ中止に異論はない。むしろ、目の病気にかかったからこそ分かることもある。今は外出を控え、自宅トレーニングに励む。

 「東建では2回勝っているので相性がいい。生まれ変わった『新生高山』を見せようと思っていたので、中止は残念。ただ、こういう時は自分の欲だけで考えてはいけない。病気の恐ろしさは身をもって知った。今感じているのは、モチベーション維持の難しさ。同じようにいつ開幕を迎えるか分からない中で、野球やサッカーの選手がどういう気持ちで、どう過ごしているのか興味ある」
 11年の東日本大震災発生後に迎えた国内開幕戦の東建ホームメイト杯。最終日には、当時大会史上最多の1万9000人余りの観客が集まった中、高山は競り合う石川遼、片山晋呉を抑え、優勝した。

 「ツアーから1年半以上離脱して大きな不安はあるけど、涙を流すような復活優勝を果たして、みんなを勇気づけたい」。まだぬぐえない目への不安、限られた試合で結果を出さなければならない重圧に加え、コロナ禍でのモチベーション維持。新生高山のお披露目は、さまざまな難局を乗り越えた先にある。
 ▼高山忠洋(たかやま・ただひろ) 1978(昭和53)年2月12日生まれ、和歌山市出身の42歳。177センチ、83キロ。ツアー通算5勝。和歌山・星林高時代は野球部に所属し、同校の6年先輩にあたる元WBC日本代表監督の小久保裕紀さんから2000安打記念バットが贈られた。2018年4月から約半年間、本紙ゴルフレッスンを担当した。

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