「緊急事態」だからこそ…ゴルフファンに見せてほしいトップの姿勢 JGTO青木功会長の残念な”メッセージ自粛”
2020年4月10日 18時27分
◇記者コラム「Penヘペン草紙」
なんともすっきりしない会合だった。国内男子ゴルフツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)が3月25日、今年の社員総会・理事会を開き、青木功会長の3選(1期2年)を決めた。しかし、報道陣には終了後の記者会見などを行わないことがあらかじめ告げられており、実際に3時間以上にわたる会合を終えた青木会長は写真撮影に応じただけ。「選手のみんなに選んでいただいたので、あと2年間一生懸命頑張ります」と歩きながら話し、「あとは広報に聞いてください」とタクシーに乗り込んだ。
例年なら終了後、会長は今年のツアーの抱負などを説明している。わたしの記憶にある限り、会見がなかったことは過去にない。特に今年は新型コロナウイルス騒ぎをどう乗り越えるか、ツアーをどう盛り上げていくか、青木会長の口から聞きたいことはたくさんあった。その翌週に総会を開いた女子の日本女子プロゴルフ協会、シニアなどの日本プロゴルフ協会は、それぞれ小林浩美会長、倉本昌弘会長が会見している。
選手の中から一部理事の不信任・退陣を求める声が上がっていることは、以前から言われていた。それに対し、青木会長が選手たちに手紙を送ったとされ、理事の一人は「先輩プロとして、同じプロたちに対する個人的な話があったんだと思う」と話している。記者会見が設定されなかったのは、こうしたごたごたを避けるためだったのではと勘繰られてもしかたがない。
ただ、内部の事情がどうあれ、一番大切なのは試合を楽しみにしているゴルフファンや試合ができない選手に、会長としての声を届けることではなかったか。こんな時期だからこそ、会長が陣頭指揮に立っている姿を見せる必要があったと思う。(大西洋和)
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