姜徳相 滋賀県立大名誉教授・歴史学者 

2020年9月25日 16時00分 (9月25日 16時00分更新) 会員限定

写真・淡路久喜

朝鮮観にゆがみ 戒厳令下の虐殺

 関東大震災後の朝鮮人虐殺に関する研究の先駆者として、軍隊や警察も加担した虐殺の実態を明らかにしてきた姜徳相(カンドクサン)・滋賀県立大名誉教授(88)。一九七五年に出版の著書「関東大震災」(中公新書)は九七年に絶版となったが今月、新幹社(東京)から復刊された。虐殺の犠牲者追悼式に小池百合子東京都知事が四年連続で追悼文を送らないなど、歴史的事実を否定するような昨今の風潮をどう見るのか、思いを聞いた。 (森田真奈子)
 -朝鮮人虐殺に関する研究を始めたきっかけは。
 一九六〇年ごろ、国会図書館で司書の方から「連合国軍総司令部(GHQ)に押収されて戻ってきた返還文書がある」と聞き、関東大震災時の海軍の動きを記録した「公文備考」を見つけた。調べてみると、震災直後に内務省警保局長が「震災を利用し、朝鮮人は各地に放火し、不逞(ふてい)の目的を遂行せんとし、現に東京市内に於(お)いて爆弾を所持し、石油を注ぎて放火するものあり」との電報を各地方長官に送っており、デマの拡散に当局が加担していたことが分かった。その後、神田の古本屋で地震の見聞録を集める中で「朝鮮人を竹やりや日本...

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