金貸水神様 救った水神様へ 病を質に借金証文

2020年9月26日 05時00分 (9月26日 05時00分更新)
病気に苦しむ村人を救ったと伝わる金貸水神社

病気に苦しむ村人を救ったと伝わる金貸水神社

  • 病気に苦しむ村人を救ったと伝わる金貸水神社
 今から520年ほど前の夏の日のことです。
 天竜川が氾濫して、鹿島村(今の浜松市天竜区二俣町鹿島)の川岸にお祭りしていた水神様が流されてしまいました。
 「洪水でほこらが壊された。水神様が危ない」
 荒れ狂う水にのみ込まれそうになった水神様を見た地元の船頭の権三郎は、いても立ってもいられず激流に飛び込みました。水を何度も飲み、体を流木や岩にぶつけながらも何とか水神様を救い出すことができました。
 辺りを見渡した権三郎は、二度と流されることがないように川岸の高い所に水神様を祭りました。それが、今の場所だといわれています。
 「今まで村を守ってくれた水神様が流されずにすんだ。これからもお力を貸してください」
 水神様の元から家に帰った権三郎は、無理がたたったのか、持病が悪化して寝込んでしまいました。
 明日をも知れないほどひどくなったある夜のことです。権三郎の夢枕に水神様が立ちました。
 「権三郎、先日は命がけで私を助けていただき、感謝しています。お礼に今度は私があなたの病気を速やかに全快させるのでご安心くだされ」
 何事が起きたのかと驚いている権三郎に、水神様が続けて話しかけました。
 「他にも病気で苦しんでいる者があれば、その病気を質として借金の証文を私に上げさせよ。私がきっと期限までに必ず全快させてやろう」
 この夜を境に、権三郎の重かった病気も日を追うごとに快方に向かい、ついに全快することができました。

◆お供えした村人ら全快

 権三郎の話を聞いた村人の中にも、病気に苦しむ人は何人もいました。権三郎に教えてもらった通りに、病気を質草にした証文を供えて、水神様にお願いをしました。すると不思議なことに、村人の病気も快方に向かったそうです。
 水神様の評判は遠くの村まで広まり、いつしか「病気の水神様」「金貸水神様」と呼ばれるようになりました。
 今では、天竜川の南側にある金貸水神社の水神様のほこらに、お願いに使う借用証文の書き方の見本が掲げられ、証文の用紙が置かれています。

<もっと知りたい人へ>
見学場所:金貸水神社(浜松市天竜区二俣町鹿島 天竜病院坂下バス停前)

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