素手でつかみ、投げる…勝利呼んだ中日・高橋の美技『ベアハンドキャッチ』 日本でお目にかかれないワケ

2020年9月24日 11時02分

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5回表無死、浜田のバントを好捕し、ランニングスローでアウトにする高橋=23日、ナゴヤドームで

5回表無死、浜田のバントを好捕し、ランニングスローでアウトにする高橋=23日、ナゴヤドームで

  • 5回表無死、浜田のバントを好捕し、ランニングスローでアウトにする高橋=23日、ナゴヤドームで
渋谷真コラム・龍の背に乗って
◇23日 中日11―5ヤクルト(ナゴヤドーム)
 序盤に2ラン2本を浴びたヤクルトを、三塁打(1)と二塁打(6)で逆転し、グランドスラムでとどめを刺した。お立ち台は3安打、3打点のキャプテン・高橋。打のヒーローは、実は守のヒーローでもあった。
 1点リードの5回。先頭の浜田が三塁線にバントした。絶妙の転がり具合。マウンドの藤嶋もベンチも「やられた」と思ったことだろう。そこを救ったのが高橋だ。彼が選択したのはベアハンドキャッチ。グラブでは間に合わない。右手でつかみ、投げる。それるリスクはある。イチかバチか。勝負の一球だった。勢いで転倒した高橋は、送球の行き先を見ていなかった。起き上がり、仲間に「アウト?」と確かめ、ようやく笑った。
 僕が大好きなプレーだが、日本ではなかなかお目にかかれない。高橋は言った。「覚えてはないですけど、初めてかもしれないです」。子どものころから「基本」をたたき込まれる日本人の発想にはないからだ。ロッテのレアードら、主に外国人の三塁手がやる。だが、僕にとっての「ミスターベアハンド」は、三塁手ではなく遊撃手。今春のDeNAキャンプで、特別コーチとして指導したオマー・ビスケルだ。1990年代からインディアンスなどで活躍し、通算2877安打もすごいが、ゴールドグラブ賞11度。その名手の代名詞がベアハンドキャッチだった。
 高橋のプレーに話を戻す。乱打戦。あのとき、先頭打者が出塁していたら、どうなっていたことか…。美しく、華やかだっただけでなく、勝利への大きなポイントとなった。
 「ねらわれている感じがしたので、1球目だけ少し前に出たのがよかったです」
 準備が結果を連れてくる。いいものを見た。でも、この先ベアハンドをやってもやらなくても、僕の中ではセ・リーグ三塁手のゴールデングラブ賞は決まっている。

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