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県内発宇宙ビジネス手応え  「産業創出研究会」山田会長に聞く  

2020年9月24日 05時00分 (9月24日 09時33分更新)
ふくい宇宙産業創出研究会の活動と展望を語る山田会長=坂井市のセーレンTPF事業所で

ふくい宇宙産業創出研究会の活動と展望を語る山田会長=坂井市のセーレンTPF事業所で

 発足5年 人工衛星造り勉強

 宇宙産業進出を目指す県内企業などが参加する「ふくい宇宙産業創出研究会」は、二十四日で発足から五周年となる。昨年は会員企業が東京大とともに開発に携わった超小型人工衛星二機が、国際宇宙ステーション(ISS)からの放出に成功し、着実に実績を積み上げる。山田英幸会長(セーレン常務)は本紙のインタビューに対し、「ビジネス化が期待した以上に早かった」と手応えを話し、今後は会員企業の裾野の拡大への意欲も示した。 (聞き手・長谷川寛之)
 −発足当初の活動を振り返って。
 「宇宙に知見のある企業は少なかったが『ビジネスにつなげるんだ』という思いは強かった。二〇一五年十二月に東京大大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻の中須賀真一教授らが講師となった人工衛星設計に関する集中講義や、その後の超小型人工衛星の製造実地研修などで、いきなり第一線の研究開発レベルを勉強した。参加企業には衝撃的なスタートだったがモチベーションはより高まった」
 −その経験の効果は。
 「参加企業の得意な分野が把握できるようになり、各社の専門的な技術や製品を結集すれば(人工衛星を造ることが)できるぞ、という姿が見えてきた」
 −県工業技術センターの存在も大きかったのでは。
 「センターに宇宙環境測定機器が順次整備された。合わせて県職員も研究会の立ち上げから現在の運営まで企業を支援している。例えば機器の使い方を企業と一緒に勉強したので機器導入後もスムーズだった。いろんな企業がものづくりをしてみようと思った時に、福井でスピード感をもって全部できる。『企業の勉強』と『周辺環境のバックアップ』は両輪といえる」
 −二〇一七年には東京大との量産型超小型人工衛星の共同開発研究の提案を受けた。その時の思いは。
 「どこまで頑張れば(宇宙産業に参入)できるのかという迷いや不安もあったが、想定以上に早い三年目でのビジネス化で、われわれも『やれるんだ』と確信した。これまでに各企業がスケジュール管理などを含め、ものづくりへの姿勢を示し、東大の先生への期待に応えた結果とも言える」
 −今後の展望については。
 「現在『福井で、どの程度のことができるんですか』という問い合わせが全国からあり、業界の中でも研究会の活動が認知されだした。今までは衛星を造れるようになるための活動だったが、次は衛星を運用する技術に広げていく。最先端で走る企業はさらに加速し、その活動を見て『自分たちもやりたい』という新規企業の参入も拡大したい」

 ふくい宇宙産業創出研究会 産学官と金融機関が連携して革新的な研究や製品開発を支援する「ふくいオープンイノベーション推進機構」が2015年9月24日、県内企業などに呼び掛けて設立した。宇宙産業進出を目的に現在、64社・機関が参加。宇宙関連産業に関する調査・研究や会員企業の発展を図るための情報収集・発信、関連企業とのマッチングを行う。県工業技術センター(福井市)に事務局を置く。


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