中日春秋

2020年9月24日 05時00分 (9月24日 05時01分更新)
 <我(わ)れは女なり>。作家樋口一葉は日記に書いている。続けて、女であるから、自分の思いを実現するべきなのか、あきらめるべきなのかと自問を連ねている。女性作家の先駆けとして名を成す一方、男性中心の文壇で自由に創作することの難しさを強く感じていたようだ
▼残念ながら、病に倒れ存分に発揮することはかなわなかったが、反骨心を秘めていたようだ。<我れを訪(と)う人十人に九人まではただ女子なりというを喜びてもの珍しさに集う成(なり)けり>と悔しさもにじませている
▼男性の領域でこの選手も常識を打ち破ろうと、思いを秘めていたらしい。サッカー女子の元日本代表で、ワールドカップ優勝メンバーでもあるフォワードの永里優季選手が、神奈川県二部のクラブに加わった。男子のチーム、リーグである。以前からの夢であったと語っている。性別や人種の境界をなくしたいという願いもあるそうだ
▼野球などで、女子選手が活躍した例はあるが、激しい接触があり、体力が問われるサッカーでは、国際的にみても、驚きと異例の挑戦だろう。欧州メディアも報じている
▼鋭い身のこなしに加え、賢いプレーを持ち味とする選手だ。体格差に直面する海外で圧力をかわすプレーも磨いている。厳しい挑戦ではあるが、やれるかもしれないと思わせる
▼われはサッカー選手なり。ピッチで喜ぶ姿が、目に浮かんでくる。

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