<ユースク>在宅勤務でも「出張費」の謎 愛知県、対象職員に1日200円

2020年9月23日 05時00分 (9月29日 11時52分更新)
 「家にいるのに『出張』扱いで毎日二百円もらえるんです。少額でも税金なのに変じゃないですか」−。愛知県の職員だという男性からこんな声が本紙に届いた。調べてみると、新型コロナウイルス感染拡大で県職員が在宅勤務になった場合、なぜか「出張」となり、一部の職員には通信連絡費名目で旅行雑費(一日二百円)という手当まで支給されていることが分かった。自宅へ出張? いったい、どうしてそんなことになっているのか…。(奥田哲平)
 「在宅勤務がこれほど大規模になるとは考えていませんでした。出張扱いにしたことで、規定にのっとって雑費が出てしまった」。県人事課の石田邦洋監察室長は、コロナ禍で想定外の混乱に陥った実情を明かす。
 そもそも、職員の在宅勤務に関して、愛知県は他の自治体に比べ、導入が遅れ気味だった。コロナ禍が始まる前の今年一月、県は在宅勤務に関する実施要綱をまとめたが、その際、「他県の前例」にならって、自宅での仕事は「出張」とみなすことにした。現行の勤務管理システムでは職員の働く形態は「出勤」「出張」「休暇」の三択しかなく、新たに「在宅勤務」として処理するにはシステム改修が必要−などの事情があったからだ。
 実施要綱では在宅勤務中の通信連絡費は原則、個人負担と決めたが、ここで困ったのが「旅行雑費」の取り扱いだった。県の規定では「勤務地か勤務地に隣接する自治体以外」へ出張した場合、「勤務先への連絡のため」雑費を支給することになっている。こちらも変更するためには条例の施行規則改正や職員組合との交渉が必要で急にはできない。勤務地から遠い自宅へ「出張」する職員に対しては雑費を支払わざるを得なくなった。
 総務事務管理課の山本まゆみ担当課長は「同じ在宅勤務でも、雑費をもらえる職員ともらえない職員が出て、不公平感があるという問題意識は持っていた」と打ち明ける。まずは手探りで始め、問題点は徐々に解消していく考えだったが…。

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