白米千枚田 ボランティア稲刈り「米作り、関われて達成感」

2020年9月23日 05時00分 (9月23日 10時09分更新)
刈った稲を束ねる参加者たち=輪島市白米町で

刈った稲を束ねる参加者たち=輪島市白米町で

  • 刈った稲を束ねる参加者たち=輪島市白米町で
  • 初めての稲刈りに参加した日暮大輔記者=輪島市白米町で
 輪島市白米町の国指定名勝「白米千枚田」で二十二日、ボランティアによる稲刈りがあった。新型コロナウイルスの感染防止のため、今年は参加を事前予約で午前午後の二部制とし、受付では検温を実施。水田のオーナーも含め二百四十人が参加し、秋の恵みに感謝した。 (日暮大輔)
 千四枚の棚田のうち、ボランティアが百三十枚を担当した。参加者は稲を根元から鎌で切り取り、はざ掛けするため、わらで束ねた。千枚田を管理する住民団体「白米千枚田愛耕会」のメンバーは初参加の若者に鎌の使い方や稲の縛り方を説明した。
 オーナー田の稲刈りは十九日に始まり、この日が最終日。田植えは県をまたぐ移動の自粛でオーナーが参加できず、代わって市民ボランティアが苗を植えて収穫までこぎ着けた。
 市内の日本航空高校石川や日本航空大学校の生徒、学生も協力した。
 同高三年の乾翔馬さん(17)は昨年に続き二度目の参加。「千枚田を残していくために働く一員になった気がします。普段食べているお米を作る過程に関われた達成感もありました」と笑顔だった。
 作業後は新米のおにぎりと輪島ふぐのすまし汁が振る舞われた。

本紙・日暮記者も鎌を手に


お尻まで泥だらけ


 白米千枚田の水田と日本海が生み出す風景は、8月に輪島市に赴任した記者(26)を魅了した。「美しい景観を守るため協力を」という市の呼び掛けを聞き、少しでも力になれるならと参加させてもらった。
 午前8時半前に受け付けを済ますと、予定時刻より少し早く案内された。手近な田で、借りた鎌を手に「ザクッ」と1株刈ってみた。軽快な手応えに調子を良くし、続けて数株切り取ってあぜに置いていく。
 奥に手を出そうと田に踏み込むと、長靴がぬかるみにはまった。何とか脱出すると「切り株を踏むといい」と声が飛んできた。言われたようにすると足が沈み込まない。教えてくれたのはボランティアの一人で会社員の中橋幸雄さん(63)=大野町。昔は稲作をやっていたと言い、わらで稲を束ねる結び方も教えてもらった。「刈って、束ねて、はざ掛けしたら一人前だね」
 約2時間かけて、ようやく1枚を刈り終えた。切り株を数えると130株ほど。立て膝をしていたのでズボンはお尻まで泥まみれになっていた。間もなく終了時間を迎え、高校生らに交じってきつい坂を上り、稲束を棚田の上の方へ運ぶ。
 作業後、白米千枚田愛耕会代表の堂前助之新さん(76)が「千枚田は380年続いている」と教えてくれた。「水の出るところはどこでも田を作ったということ。一粒でも多く米を食べたかったんだろう」。その言葉に、米だけでなく食べ物を大切にしようという気持ちがわいた。
 千枚田は狭く、機械が入れないので、収穫は全て手作業だ。実際に作業して、美しい風景を支えているのは、それを愛する人の力だというのを身に染みて感じた。充実感もあったが、今回ははざ掛けができなかったので、次はそこまでやりたいと思う。

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