透光五彩 釉薬に工夫 陶芸家・山下さん九谷焼開発

2020年9月23日 05時00分 (9月23日 10時11分更新)
「透光五彩」の器や明かり取りを紹介する山下好弘さん=小松市粟津町の「九谷焼体験工房 ギャラリー&カフェ良山」で

「透光五彩」の器や明かり取りを紹介する山下好弘さん=小松市粟津町の「九谷焼体験工房 ギャラリー&カフェ良山」で

  • 「透光五彩」の器や明かり取りを紹介する山下好弘さん=小松市粟津町の「九谷焼体験工房 ギャラリー&カフェ良山」で

「光に透ける美しさ見て」


 粘土に小さな穴を開けてから釉薬(ゆうやく)でふさぎ、光を透かす工夫を施した九谷焼を小松市粟津町の陶芸家山下好弘さん(47)が開発した。「透光五彩」と名付け、食器や照明器具を制作した。山下さんは「光に透けるガラス質の釉薬の美しさを見てもらえたら」と話す。(坂麻有)
 穴は直径五ミリほど。赤や黄など九谷五彩の釉薬でふさいである。花柄や格子柄などのカラフルな器に、内側や上から光を当てると、釉薬の色と同じ五色の光が穴から漏れ出て、幻想的にきらめく。
 山下さんは能美市の県九谷焼技術研修所を卒業後、二〇一二年十月、同町の粟津温泉街の一角に「九谷焼体験工房 ギャラリー&カフェ良山(りょうざん)」を開いた。コーヒーを飲んでくつろげる空間に、伝統的な九谷焼のほか、動物をモチーフにした器など千個以上を置き、体験教室も開く。
 透光五彩は昨年、金沢市で秋にあった「全国やきものの里展」への出品のため考案した。成形後の粘土の素地に穴を開け、釉薬で穴を埋めて焼成した。「蛍手」と呼ばれる陶芸の伝統技法をヒントにした。蛍手は穴を透明の釉薬で埋めるが、九谷焼特有の五彩の釉薬で塗ろうと思い付いた。
 穴をふさぐ釉薬が流れ出てしまい、試行錯誤を重ねた。釉薬は色によって粘度が違うため、色ごとに釉薬の量を調節し、穴をふさげるようになった。
 おちょこや湯のみなど百個ほど完成させた。五月からは、電球にかぶせて、漏れる光を楽しむ明かり取りを作り始めた。山下さんは「誰も作ったことがない珍しい物を作ることで、九谷焼に興味を持ってもらえたら」と創作に意気込んでいる。(問)同店0761(65)1108 

関連キーワード

PR情報

石川の最新ニュース

記事一覧