「過去最高の村田諒太」へ拳を磨く「考え方が整理できた」コロナ禍で空いた時間で過去の自分を見つめ直した

2020年9月22日 06時30分

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ミット打ちを行う村田諒太

ミット打ちを行う村田諒太

  • ミット打ちを行う村田諒太
 ボクシングのWBAミドル級王者、村田諒太(34)=帝拳=が、新型コロナウイルス禍で次戦が決まらない中でも進化を続けている。所属ジムで練習を重ねながら、自分のボクシングを分析。「頭の中を整理し、まとまってきた」と、過去最高の村田となってコロナ収束を迎えるべく、拳を磨き続けている。
 豪快な5回TKOで2度目の初防衛を果たした昨年12月から9カ月、村田はジムで練習を続けている。ミット打ち、感覚を忘れないためのトレーナーとのシャドーボクシング―。その表情には活気がある。コロナ禍で次戦が見えない状況でも、前へ進めている実感がある。
 「ボクシングを改めて研究するというか、見直すことができています。感覚でやってきていたところがあったけど、こうだから調子が良かったんだ、これが原因で悪かったんだ、とつながってきた」
 南京都高で本格的な競技生活に入って18年。これほど長い間、現役でありながら試合がなく練習だけをしていた期間はない。「実戦が決まっていたらあれこれ考えてはいられない。長い期間をかけて考える時間ができて、やっと頭の中が、考え方が整理できてきたんです」。世界でも随一とされる鉄壁のガードについても「ガードに力を入れ続けて、相手に反応して(パンチを)相殺することをついつい忘れていた。それを思い出せたりして、おもしろいなと思いますね」と手応えを口にした。
 海外では7、8月から少しずつ世界戦が再開し始めた。国内でも11月3日にWBAライトフライ級王者・京口の防衛戦が予定されており、ボクシング界も徐々に動きだしてきている。
 ただ、軽量級とは桁違いの金が動くミドル級の世界戦はいまだに難しい。村田がターゲットとする世界4階級制覇王者アルバレス(メキシコ)、元同級3団体統一王者で現IBF王者ゴロフキン(カザフスタン)という2大ビッグネームを取り巻く状況は膠着(こうちゃく)。アルバレスは、試合が組まれないとして契約するテレビ局などを相手に法廷闘争まで起こしている。
 「焦りが、あることはあります。今年は試合できないかもなぁ…」と、村田は率直な気持ちを口にした。だが、腐ることはない。「正当に悩んでいます。(試合を)やりたい、モヤモヤする、でもそういう気持ちになるのも当然だ。じゃあ今できることって何? 自分のボクシングを見つめ直すことだ」。アマ時代からさまざまな経験を経た村田は、焦る気持ちものみこんで強くなり続けていく。
 ◆他競技から刺激 村田は、コロナ禍の間に他競技からも刺激を受けている。長男が始めた野球や陸上などだ。「野球のピッチングの動きは参考になるとすごく思いますね。野球はやっぱり進んでいる。マラソンの大迫傑選手(ナイキ)からは、限界値を上げることで余裕が生まれるという話を聞いて、3分間のジムワークの限界値を上げる練習をすべきなんじゃないかと思っています」。34歳の今もさまざまなものを柔軟に取り入れている。
 ▼村田諒太(むらた・りょうた) 1986(昭和61)年1月12日生まれ、奈良市出身の34歳。身長183センチ。中学1年からボクシングを始め南京都高(現・京都広学館高)から東洋大。同大職員として出場した2012年ロンドン五輪ミドル級で日本ボクシング界48年ぶりの金メダルを獲得。13年8月プロデビュー、17年5月の世界初挑戦ではエンダム(仏)に不可解な判定負けを喫したが、同10月の再戦は7回TKOで制しWBAミドル級王座獲得。18年10月の同級V2戦でブラント(米国)に敗れたが、19年7月の再戦に2回TKOで勝ち王座に返り咲いた。家族は妻と1男1女。16勝(13KO)2敗、右ボクサーファイター。

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