レーザーで繊細模様 湖西の袴田精機が特許

2020年9月22日 05時00分 (9月22日 05時02分更新)
加工したパネルを前に、特許の取得を喜ぶ神田琢己さん(左)と袴田雄司社長=湖西市山口の袴田精機で

加工したパネルを前に、特許の取得を喜ぶ神田琢己さん(左)と袴田雄司社長=湖西市山口の袴田精機で

  • 加工したパネルを前に、特許の取得を喜ぶ神田琢己さん(左)と袴田雄司社長=湖西市山口の袴田精機で
  • 特許技術で彫ったパネルに側面から色の異なる光を当てると、ひびのある深さによって色が違って見える=湖西市吉美の市中央図書館で
 自動車金属部品製造の袴田精機(湖西市山口)が、八年ほど前に新規参入した装飾パネルのレーザー加工技術で特許を取得した。透明な樹脂板の表面を傷つけず、内部に模様を彫る技術。担当役員の神田琢己さん(45)は「応用が期待できる技術。PRして、活用してもらえる場所を探したい」と語る。 (鈴木太郎)
 レーザー光を樹脂板内の一点に集めると、エネルギーで内部にひびが入り、表面を傷つけずに模様が描ける。太陽光を虫眼鏡で集めて火をおこすのと似た原理だ。集光させる位置を変えることで深さを微調整し、何層にも重なる立体的な模様を入れることが可能になった。
 特許のパネルは、背景として色付きの樹脂板を張っている。色の異なる発光ダイオード(LED)を額縁に仕込み、側面から光を当てると、ひびのある層の深さに応じて違った色の模様が浮かび上がる。看板や車の内装部品などへの応用を考えている。
 同社は金属の切削、研磨加工が主な事業。袴田雄司社長(49)はレーザーによる印字を、製品の生産履歴管理に生かそうと考えていた。市内の鉄工所の元役員で、光産業創成大学院大(浜松市西区)の講座でレーザーの基本を学んだ神田さんを誘い、研究が始まった。
 加工技術そのものに興味を持った二人は、社内のベンチャー事業として木材やプラスチックへの印字・装飾のサービスを開始。記念写真などをイラスト化して彫ったパネルは、結婚や出産の記念品として人気を集める。技術面での試行錯誤を重ね、特許を昨年十一月に取得した。
 同社は終戦直後、農機具などの製造販売業として創業。その後、カセットテープの再生機に使われる回転部品の主力メーカーから自動車部品製造業へと、時代に合わせて業務内容を柔軟に変化させてきた。
 「特許を取って終わりでない」と袴田社長。加工時間の短縮や曲面のよりよい仕上げ方の確立といった技術面の課題に加え、新しい技術の売り込みに不慣れな面もある。袴田社長と神田さんは「新しい事業となるように育てたい」と口をそろえる。特許技術を使ったパネルは、三十日まで湖西市中央図書館で展示されている。

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