人生はつらつ県内の先輩  

2020年9月21日 05時00分 (9月21日 09時56分更新)
 人生百年時代と言われる昨今だが、「健康長寿日本一」を掲げる福井県には、元気なお年寄りがたくさん。二十一日は「敬老の日」。はつらつと輝く先輩の人生の軌跡やこだわりにその秘訣(ひけつ)を学ぶ。

丹精した小菊を花束に仕上げる前川さん=福井市荒木別所町で

 前川マス子さん(92)=福井市 


花や野菜を出荷 直売所 皆とおしゃべり

 丹精した紫色の小菊などを束ね、手際良く花束を仕上げる前川マス子さん(92)=福井市荒木別所町。地元に農産物直売所「喜(き)ね舎(や)愛菜館」がオープンして二十年近くたつが、仏花や野菜の出荷を休んだことはない。「花が好きやし、皆で野菜の作り方や出来栄えをワイワイ話すのが楽しみ。元気の源やの」
 福井市木田地区に生まれ、嫁いだのは一九四九(昭和二十四)年三月。福井地震から一年もたっていないとあって、新居は小屋だった。農業をやるのも初めて。持ち前の好奇心を発揮し、永平寺町での農業関係の講座にも通った。教室では紅一点。コンバインもトラクターも乗り回すようになり、当時は珍しがられたという。
 菊を中心に早くから花き栽培に挑戦。市場へ出荷した時もあったが現在は規模を縮小し、自作の小菊と仕入れた花を組み合わせて花束にして喜ね舎に出している。「年寄りやけどフラワーアレンジメントのインストラクターの免状も持ってるざ」。作業の手を止めず、破顔した。
 長生きの秘訣(ひけつ)を尋ねると「仏様のおかげかの。毎日を『おかげさんで』と生きさしてもらってるだけ」と謙虚。ただ規則正しい生活には気をつけているという。午前五時に起き、六時半に家族の運転する車で喜ね舎へ。「おはようございます」。声を張ってあいさつし、台車で花を運び込むかくしゃくとした姿に、仲間の出荷者から「こんな元気な年寄りいないよ」との声が上がる。
 帰宅後は畑仕事に励み、八時半から朝食。好き嫌いはない。畑仕事や台所仕事、翌日の出荷に向けた作業など動きっぱなしだが、苦にはならない。それでも「無理はせんよ。疲れたら昼寝するから」と自然体だ。天気のいい日には自転車で出掛けることもあるなど楽しみは多い。テレビで時代劇を見るのもその一つと、はにかみながら教えてくれた。 (北原愛)

腕立て伏せで鍛えた力こぶを見せる宮崎さん=敦賀市若葉町1で

 腕立て伏せに山登り 体力づくり 


 宮崎信伍さん(74)=敦賀市

 敦賀市が高齢者の健康維持のために作成したオリジナル体操を普及する「元気体操の会」の会長を務める宮崎信伍さん(74)=同市若葉町一。人前に立って手本を見せるので「ガリガリではいられない」と、腕立て伏せを毎日百二十回続ける。目標は二百回だ。
 六十三歳まで四十年ほど、市内で中華料理店を経営。毎日忙しく、張り合いのある生活だったが、仕事をやめると一気に老け込み、腰の痛みが出てきた。
 「このままでは早死にしてしまう」と始めたのが腕立て伏せ。初めは一日に十五回がやっとだったが、少しずつ回数を増やしていった。
 長く続けるコツは「目標を持つこと」。五年前から山登りを始めて、市内の天筒山に月二十回ほど登っている。「山頂に着いた時の達成感が楽しく、長く続けたい」と、体力づくりに余念がない。
 元気体操の会では、市福祉総合センターや各公民館などを回って、六、七十代を中心に体操を教えている。女性に比べ、男性の参加者が少ないのが気掛かり。「足腰が弱っている人が多いのでは。体に痛みが出てからでは手遅れで、何もできなくなってしまう」と参加を呼び掛ける。 (高野正憲)

関連キーワード

PR情報