フードをペーパーに 越前市の和紙工房商品化 廃棄物減量に貢献

2020年9月21日 05時00分 (9月21日 10時01分更新)
廃棄される野菜や果物からできた紙の商品 

廃棄される野菜や果物からできた紙の商品 

  • 廃棄される野菜や果物からできた紙の商品 
  • 優翔さんがまとめた自由研究の資料=いずれも越前市岩本町で

 子どもの自由研究ヒント

 越前市の伝統産業、越前和紙の老舗工房「五十嵐製紙」(同市岩本町)が、廃棄される野菜や果物を活用して紙をつくり、紙文具ブランド「フードペーパー」を展開している。工房の和紙すき職人、五十嵐匡美(まさみ)さん(47)の次男・優翔(ゆうと)さん(14)の「自由研究」がヒントになって生まれた環境に優しい紙だ。 (鈴木啓太)
 匡美さんと鯖江市のデザイナー新山直広さん(34)が協力して開発した。国産の和紙の原材料は減少傾向にあり活用できる素材を模索。昨年開かれた商品や事業のブランド化を学ぶ講座を受講した二人が考える中、着目したのが優翔さんの夏の自由研究だった。
 優翔さんは小学四年から中学二年の昨年まで、身の回りにある食べ物や植物で紙をすくなど実験に取り組んでいた。試した素材は、ネギやキャベツ、ミカンの皮などのほか、エリンギやタケノコ、父親がおつまみにしたピーナツの殻まで多種多様。「大人ではなかなか使ってみようと思わないですよね」と、匡美さんはほほ笑む。
 優翔さんは研究成果を出来上がった紙とともに資料にまとめた。「せんいが長いのでじょうぶな紙になった」(ネギ)、「細かくてほそいせんいがたくさんあるし平たいせんいもある」(ピーナツの殻)。素材ごとに解説も付いている。
 匡美さんと新山さんは、研究成果を参考に紙の丈夫さや色合いから、ゴボウやミカン、ブドウなどを使って今春商品化した。紙づくりは通常の和紙とほぼ同じ工程で、県内のカット野菜加工場などから出るものを材料に使う。廃棄物の減量に貢献するとともに、和紙の原材料の節約にもつながる。
 「フードペーパーは食材の温かみのある色が出ている。使っていると色が変わってくるが、それも味わいとして楽しんでもらいたい」と匡美さん。主な商品にノート(税抜き五百円)やボウル型の小物入れ(同千二百円)、肩掛けかばん(同三千六百円)などがあり、「気軽に手に取って使ってもらうことで、廃棄される食品に関心を持ってもらえたら」と思いを込める。
 商品は、新山さんが代表を務める鯖江市のデザイン事務所「TSUGI(ツギ)」直営の雑貨店「SAVA!STORE(サバ ストア)」や同店のインターネットサイトで購入できる。(問)五十嵐製紙=0778(43)0267

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