中日春秋

2020年9月20日 05時00分 (9月20日 05時01分更新)
 現在、米国のハーバード大学ロースクール学生の男女比率はだいたい同じだそうだ
▼一九五六年にその女性が入学した時は男性五百人以上に対して女性はわずか九人。教授の質問に答える時は緊張した。もし自分が失敗すれば女性全体の能力を疑わせることになる。その考えはずっと変わらなかったのかもしれない。米連邦最高裁のルース・ギンズバーグ判事が亡くなった。八十七歳
▼大学教授、弁護士、判事の経歴を通じ取り組んだのはロースクールに限らず、法の下での平等が約束している通り、あらゆる分野で「男女比率」を同じにすることだったのだろう。賃金差別の解消、機会均等。その取り組みと主張は米国のみならず世界の目を覚まさせた
▼子ども時分、母親に「レディーであれ、自立した人間であれ」と教えられたそうだ。鋭い意見で「ノトーリアス(悪名高き)」の愛称もあったが、決して感情的にならず、地道な説得によって社会をより良き方向へと一歩ずつ進めていく。それが思慮深い「レディー」の方法だった
▼リベラル派だが、最高裁の同僚では保守派の故スカリア判事と仲が良かった。どんなに意見が違っても友情をはぐくめる。話し合える。小柄だが心の大柄な方だった
▼議論に勝つ方法を教えている。「大声を出さないこと」。大声を出せば相手と話し合えない。意見対立の時代に大切な教えである。

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