トリケラトプス機敏な動き苦手? 三半規管未熟の可能性

2020年9月19日 05時00分 (9月19日 12時10分更新)
トリケラトプスの耳の位置=県立大恐竜学研究所の河部壮一郎准教授提供

トリケラトプスの耳の位置=県立大恐竜学研究所の河部壮一郎准教授提供

  • トリケラトプスの耳の位置=県立大恐竜学研究所の河部壮一郎准教授提供
  • トリケラトプスの三半規管について論文を発表した坂上莉奈さん(左)と河部壮一郎准教授=永平寺町の県立大で

県立大院生が論文


 草食恐竜トリケラトプスは、頭を素早く動かした時に目が回っていたかもしれない−。県立大大学院生物資源学研究科の坂上莉奈さん(25)が、トリケラトプスの脳や耳について研究論文を発表した。平衡感覚をつかさどる内耳の三半規管は他の恐竜と比べて発達せず、映画で描かれるような頭突きなどの激しい動きは苦手だった可能性があることが分かった。 (籔下千晶)
 トリケラトプスは六千八百万年〜六千六百万年前の白亜紀後期、北米大陸に生息した体長約八メートルの大型恐竜。三本の角と後頭部の大きなフリル(襟飾り)が特徴だ。坂上さんは世界で初めて、トリケラトプスの頭骨化石をコンピューター断層撮影(CT)し、脳や内耳を三次元で再現。機敏さや嗅覚、聞いていた音の高さを解明した。
 研究の結果、同じ時期に生きていた肉食恐竜ティラノサウルスなどに比べて三半規管は未熟で、脳の中で臭いを感じる嗅球(きゅうきゅう)は小さめと分かった。機敏な動きが苦手で、鼻は利かなかったとみられる。半面、内耳にある蝸牛(かぎゅう)管は長く、遠くからでも届きやすい低い音を聞くのが得意だった。遠くの状況を察知していたようだ。
 三半規管の角度から、普段の口先は四十五度下を向き、草を食べやすい姿勢を取っていた。頭を下に傾けることで、他者にフリルを大きく見せることができ、威嚇や異性へのアピールにつながった。
 論文は十八日、オンライン国際科学雑誌に掲載された。「素早い動きが苦手など、今までのイメージと違う生態が分かって興味深かった」と坂上さん。指導教員で県立大恐竜学研究所の河部壮一郎准教授(35)は「仲間の恐竜を研究することで、鼻が利かなくなった理由など進化の過程が分かるかもしれない」と話した。

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