【富山】雨水と不凍液 エコ消雪 射水の企業と富山県立大 システム開発

2020年9月19日 05時00分 (9月19日 10時13分更新)
雨水や不凍液による消雪装置を備えた「雨水エコループ」システムのイメージ図(住宅用)

雨水や不凍液による消雪装置を備えた「雨水エコループ」システムのイメージ図(住宅用)

  • 雨水や不凍液による消雪装置を備えた「雨水エコループ」システムのイメージ図(住宅用)
 住宅建築・リフォームの「住まい・環境プランニング」(富山県射水市)は富山県立大(同市)と共同で、雨水と不凍液による消雪装置を備えた「雨水循環利用システム」を開発した。不凍液には環境に無害な凍結防止剤を使っており、散水後は雨水と別々に回収して、繰り返し利用できる。 (瀬戸勝之)
 製品名は「雨水エコループ」システム。一般的な消雪装置は地下水をくみ上げるため、過剰取水による地盤沈下や井戸枯れが問題となっている。同社は環境に優しい製品として寒冷地を中心に住宅のほか商業施設、公共施設などへの導入を目指していく。
 消雪装置は、降雪センサーと温度センサーにより、屋根や通路、駐車場などへの積雪を感知し、気温が零度以上なら雨水で、氷点下になると不凍液に切り替えてパイプから散水する。
 散水後には雨どいやU字溝などを通じて、再び貯水タンクに戻る仕組みになっている。
 不凍液に使う凍結防止剤は「プロピオン酸ナトリウム」。食品保存料や香料として使われているが、県立大副学長で工学部の中島範行教授(薬学)が、マイナス二〇度近くでも凍結しないことを発見した。県立大が特許を取得している。
 消雪に不凍液を使うことで、散水後に通路などに氷が張ったり、配管内で凍って膨張し破損したりするのを防げる。太陽光発電パネルの消雪に利用すれば、発電効率の向上につながる。
 雨水は消雪の用途以外に、一年を通じてトイレの洗浄水をはじめとする生活用水として活用できる。浄水器を併設すれば災害時に飲料水にもなるという。
 堀川均社長は「高齢化が進む中、寒冷地では除雪作業が大きな負担になっており、これを軽減できる。緊急車両施設や空港の滑走路などへの導入も積極的に提案していきたい」と話している。

「不凍液に使用 凍結防止剤」


県立大が特許を取得 北陸道などに試験散布


 プロピオン酸ナトリウムを活用した凍結防止剤については、富山県立大が中日本高速道路などと共同で、富山県内の東海北陸自動車道と北陸自動車道で試行的に散布する取り組みを続けている。
 現在は塩化ナトリウムが散布されているが、塩害による橋梁(きょうりょう)やガードレールなどの金属腐食が問題になっており、補修費用の削減にもつながると期待されている。
 試行散布は二〇一七年冬に始まり、今冬も東海北陸自動車道の白川郷インターチェンジ(IC)−小矢部砺波ジャンクション(JCT)、北陸自動車道の小杉IC−立山IC間で予定されている。
 ただプロピオン酸ナトリウムは国内での生産量が少なく、塩化ナトリウムに比べ割高。普及に向けては安定した供給元の確保と、調達価格を下げることが課題となっている。県立大などは費用対効果を見極めながら商品化を目指していく。

関連キーワード

PR情報

北陸経済ニュースの最新ニュース

記事一覧