学生らきょうからオンライン会合 人道の港敦賀 交流振り返る ムゼウム館長講演へ

2020年9月18日 05時00分 (9月18日 09時47分更新)

 ポーランド孤児受け入れ100年 


 
 ポーランドに関心のある日本の学生たちでつくる「日本ポーランド学生会議」は、十八日からの三日間、両国の大学生らが交流を深めるオンライン会合を開く。テーマの一つに日本受け入れから今年で百周年を迎えた「ポーランド孤児」を設け、交流の原点を振り返る。孤児の上陸地である敦賀港近くの資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」(敦賀市金ケ崎町)の西川明徳館長がゲスト出演する。 (高野正憲)
 学生会議は、ポーランドに留学していた日本の大学生たちにより二〇一七年に結成された。以後、両国の学生たちが毎年九月に交互に訪問し、会合などで交流を深めている。昨年は首都ワルシャワなどであった。
 今年は東京や兵庫、福岡などの大学生五人で実行委員会を組織し、イベントを企画。ポーランドの学生を日本に招いて、敦賀ムゼウムや東京の博物館を見学する予定だった。世界的なコロナ禍のためビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」による会合に切り替え、ゲストに講演してもらうことにした。
 会合には、日本から十三人、ポーランドから十四人が参加する。ポーランドの大学には日本研究をする学科が多くあるという。ポーランド孤児の歴史への関心も高く、テーマ設定は同国側の要望だった。西川館長は初日に登場して、十一月にリニューアル開館するムゼウムの内部の動画を流し、歴史を解説する。
 委員たちは、まだ一度も実際に顔を合わせたことはないが、昨年十一月からZoomで打ち合わせを進めた。参加者が円滑に議論できるようテキストブックを作成し、知識を共有してもらうなど工夫してきた。
 Zoomなどで本紙の取材にも応じ、「二国の歴史が交わる場所はあまりない。参加者たちに敦賀に行きたいと思ってもらいたい」「ムゼウムがどのように歴史を伝えてきたかを関心がある」と期待した。
 委員長で九州大四年、田中迅さん(23)は「今年はコロナ禍で交流が難しい。こういう時だからこそ、交流の原点を振り返ろうと考えた」と狙いを話す。ポーランド・クラクフから参加するジュリア・ゲプネルさん(26)は「若い人にとって、日本人がポーランドの孤児たちに優しく接した歴史を知る手だては少ないように思う。だからこそ、この歴史を広めたい。孤児たちそれぞれの物語を知れれば」と話した。
 大役を買って出た西川館長は「過去を振り返ると同時に、次の百年に向けた交流のきっかけにしてほしい。ポーランドの学生たちには、今回学んだ敦賀のことを国内にぜひ広めて」と準備を進めている。

 ポーランド孤児 流刑や労働などのため移り住んだシベリアで、ロシア革命に巻き込まれて家族を失ったポーランドの子どもたち。日本赤十字社は1920(大正9)年から22(大正11)年にかけて孤児を受け入れ、763人の孤児が敦賀港に上陸した。当時の敦賀の人々は、菓子やおもちゃなどを差し入れ、宿泊所を提供。リニューアルする「人道の港 敦賀ムゼウム」でも、こうした歴史が解説されている。


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