ひとり親の障害者 届かぬコロナ支援 富山県内11市町村

2020年9月18日 05時00分 (9月18日 10時10分更新)

年金受給で対象外 「いつも抜け落ちる」


 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、富山県内の各自治体は、ひとり親への支援策を打ち出している。ただ、児童扶養手当の受給を支援の条件としている県内の十一市町村では、障害年金を受け取っているひとり親は対象外としている。制度上、同手当と年金は併せて受給できないためで、支援の網から抜け落ちているひとり親たちは早急な制度改善を求めている。(山岸弓華)
 児童扶養手当は所得の補償という側面があるため、障害年金を受け取っているひとり親は対象外となっていた。ただ、五月の通常国会で併給を認める法改正がされ、来春には障害年金受給者でも手当の一部を受け取れるようになる。
 一方県内では、富山市や高岡市などが同手当の受給をひとり親支援を受ける条件としている。このため、障害年金を受け、同手当を受け取っていないひとり親は、コロナ禍で影響を受けていても自治体からの補助を得られない状況だ。
 「ひとり親への支援から、いつも抜け落ちてしまう」。神経系の難病を患い、障害年金を受給している県西部の四十代女性は声を落とす。夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れるため数年前に離婚し、中学生の子どもを一人で育てる。療養と並立して仕事を続け、月収は約十七万円。年間に受け取る年金は七十万円ほどだ。
 新型コロナウイルスの影響で家計を援助してくれていた実母はパートの休業を余儀なくされ、一家の収入は落ち込んだ。女性は「自分のようなケースも想定してほしい」と訴える。
 富山市は児童扶養手当受給世帯に三万円を支給した。市の担当者は「現時点では、(障害年金受給者を)追加で対象とすることは想定していない」との認識を示している。
 一方、氷見市は障害年金受給世帯にも児童一人につき二万円分の商品券を支給。担当者は「制限を設けることなく、すべてのひとり親に届けたい」と話している。
 この問題に取り組む田中俊弁護士(大阪市)は「自治体のコロナ支援策についても、手当をもらっていないひとり親も支援対象とするべきだ」と指摘している。

【メモ】児童扶養手当=離婚や死別などでひとり親になったり、両親のいずれかに重い障害があったりする家庭の児童のために、地方自治体から支給される手当。所得制限があり、児童が1人の場合は満額で月額4万3160円が支給される。2019年3月末時点で全国で約94万人が受給している。


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