【石川】「醬油もろみ」調味料に 職人だけが知る濃厚な味と香り 

2020年9月18日 05時00分 (9月18日 10時19分更新)
蔵元の秘蔵品だった「醬油もろみ」を商品化したヤマト醬油味噌の山本晴一社長=金沢市で

蔵元の秘蔵品だった「醬油もろみ」を商品化したヤマト醬油味噌の山本晴一社長=金沢市で

  • 蔵元の秘蔵品だった「醬油もろみ」を商品化したヤマト醬油味噌の山本晴一社長=金沢市で
  • 商品化した「醬油もろみ」=金沢市で

ヤマト醬油味噌 保存性 課題クリア


 ヤマト醬油味噌(しょうゆみそ)(金沢市)は、発酵させた大豆や小麦などの原料から醬油を搾り出す前の「醬油もろみ」を調味料に仕立てた。醬油もろみは独特な風味を持つものの、衛生管理面でそのまま市場に流通させるのは難しく、味や香りは職人だけが知り得る「蔵元の秘蔵品」。業界でも商品化は珍しいという。(中平雄大)
 醬油もろみは液体の醬油と同様にこうじ菌と酵母、乳酸菌の三つ全てを摂取でき、より濃厚な味わいで、原料由来の食物繊維も豊富に含まれている。山本晴一社長は「昔は得意先にお中元で配って、旬の野菜に付けて食べてもらっていた。子どもの頃は醬油もろみに浅漬けにしたキュウリをよく食べた」と振り返る。
 新型コロナウイルスの影響で春先から外食産業向けの需要が大きく落ち込む中、同社では総菜などを買って自宅で食べる「中食(なかしょく)」で需要を生み出せる新商品として、醬油もろみに着目した。
 商品化に向けては保存性が大きな課題だった。粘りがあるため内部まで均一に加熱殺菌することが難しかったが、これまでの甘酒製造のノウハウをヒントにした新たな技術で課題をクリア。開栓しても空気が入り込まない構造の容器を採用したことでカビの発生も防いだ。賞味期限は十八カ月に延びた。醬油もろみ自体には大豆や小麦がそのまま入っているため、口当たりの良い食感になるようすりつぶしてペースト状にした。
 価格は二百グラム入りで五百四十円(税込み)。漬物や鍋物のほか、炒め物の仕上げの味付けなど多用途で活用できる。山本社長は「発酵食品には腸内環境を整える効果がある。毎日ちょっとずつ発酵食品を食べるきっかけとなる商品に育てていきたい」と話している。

関連キーワード

PR情報

北陸経済ニュースの最新ニュース

記事一覧