逮捕前下着の中にひも 「自殺用」祖父ほのめかす  

2020年9月17日 05時00分 (9月17日 09時37分更新)
警察による捜査が続く事件現場=福井市黒丸城町で

警察による捜査が続く事件現場=福井市黒丸城町で

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 福井・女子高生殺害1週間 家庭トラブルか解明急ぐ

 福井市黒丸城(くろまるじょう)町の住宅で高校二年の冨沢友美さん(16)が殺害された事件で、同居する祖父の進容疑者(86)が逮捕前の調べの際、下着の中にひもを隠し持ち、自殺に使おうとしていたとほのめかしていたことが捜査関係者への取材で分かった。進容疑者が殺人容疑で逮捕されてから十七日で一週間。「孫の口ぶりに腹が立った」などと容疑を認める趣旨の供述をしている一方で、高齢のため供述の不鮮明さを指摘する声も聞かれる。二人暮らしの孫と祖父の間に何があったのか−。県警は家庭内のトラブルが原因とみて、動機の解明などを急いでいる。

■強い殺意

 県警の発表では、進容疑者は九日夜、自宅内で友美さんの上半身を刃物で刺して殺害したとされる。捜査関係者によると、事件後の十日午前零時前、進容疑者は友美さんの父親に電話し「けんかしていたら動かなくなった」と伝えていた。駆けつけた父親が午前零時すぎに一一〇番した。
 友美さんは住宅一階の台所で倒れており、近くには凶器とみられる包丁があった。遺体には身を守る際にできる痕がないことから、就寝中などを襲った可能性もある。遺体の首に致命傷になったとみられる刺し傷があったことから、県警は強い殺意があったことも視野に入れて調べている。

■家庭環境

 友美さんが福井市街地に住む両親の元を離れ、進容疑者と同居し始めたのは一、二カ月ほど前とみられる。通っていた啓新高校によると、夏休み前の面談で「家庭の事情でしばらく親と離れて暮らす」と報告していた。一部の近隣住民は「両親のけんかが絶えないから」と聞いていたというが、同校は家庭環境について相談を受けておらず、友美さんは事件のあった九日も普段通り登校していた。
 「優しいおじいちゃんという感じ」「穏やかで仏のような人」。進容疑者の印象について、近隣住民や知人はこう話す。農作業や散歩をする姿が見られたというが、住民の一人によると最近は「いすに座ってぼーっとしている時もあった」。

■責任能力

 孫娘と同居する中で、進容疑者は何に怒りを募らせたのか。本人の供述が事件解明の鍵を握るが、捜査関係者の一人は「(進容疑者は)耳が遠いため、こちらが聞いていることを理解して答えているか、はっきりしないところがある」と指摘する。高齢であることに加え、事件当時は飲酒していた上、自殺をほのめかしていたことも分かった。鑑定留置を行って、責任能力の有無を調べる可能性もあるという。

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