県内産業の技 マスクに  

2020年9月16日 05時00分 (9月16日 09時39分更新)
 福井の産業の繊維や越前和紙が、マスクに生かされている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のためマスクの着用が日常的になる中、地場産業が「新しい生活様式」に溶け込んでいる。 (鈴木啓太)

顔にぴったりとフィットするマスクを着ける石川社長(右)と消臭などの効果がある和紙を持つ上坂社長=越前市行松町のファインモードで

 越前市ファインモード×石川製紙 


 顔にフィット 消臭の効果も

 越前市行松町の縫製会社「ファインモード」と、同市大滝町の越前和紙の製造会社「石川製紙」は、フィット感がある布マスクの内側に消臭などの効果がある和紙を挟むマスクを開発した。
 マスクは顔側が肌に優しいオーガニックコットンで外側がポリエステル。鼻からあごをぴったり覆う形状で、間にヨウ素を配合した和紙を挟んで使う。和紙は石川製紙が製造特許を取得しているもので、アンモニアのにおいを十五分で90%近く分解する効果があるという。
 新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄になった二月、ファインモードの上坂達朗社長(58)が不織布を超える布マスクを作れないかと石川製紙の石川浩社長(58)に相談し、実現した。
 三月に発売し、約四万枚を販売。購入者からは「フィット感があっていい」「においがしない」と好評だ。上坂社長と石川社長は「顔にフィットさせて余分なところから空気の侵入を防ぐことを考えた」「においを取り、着け心地もいい」とPRする。
 マスク一枚と和紙五枚で千五百円(税別)。ヨウ素のアレルギーがある人向けに、越前和紙の製造会社「山伝製紙」(越前市南小山町)の製造で、銅イオンの効果で消臭する和紙との組み合わせもある。石川製紙のホームページなどから購入できる。(問)石川製紙=0778(43)0330

越前和紙で作られたマスクやマスクケース(手前)=越前市不老町の杉原商店で

 越前和紙製 軽くて丈夫


越前市杉原商店

 越前市不老町の越前和紙の問屋「杉原商店」は、越前和紙で作られたマスクを販売する。薄さや軽さ、丈夫さを併せ持ち、通気性の良さが特徴。社長の杉原吉直さん(58)は「いろいろなマスクが販売されているが、場面に応じて使い分けてもらいたい」とアピールする。
 高級感のある「手すき」(五枚入り、税別で千二百円)と、価格を抑えた「機械すき」(同、同七百円)の二種類ある。手すきは、繊維が長くて丈夫なコウゾ100%で作られ、円形を重ねた七宝柄。機械すきはコウゾを原料に配合し、無地だが黒や青、緑など七色ある。
 新型コロナが感染拡大する中、「和紙を対策に使えないか」と考え、今夏から販売を始めた。マスクの耳に掛ける部分は、切り取り線に合わせて手でちぎることができ、サイズを調節できる。
 マスクケース(縦約十三センチ、横約十八センチ)も扱い、五枚入り税別で三百円。越前市のパピルス館などで購入できる。(問)杉原商店=0778(42)0032

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