実質無利子融資の利用 6月ピークに減少

2020年9月16日 05時00分 (9月16日 05時01分更新)
 新型コロナウイルス禍で経営に打撃を受けた中小企業向けの実質無利子融資の利用が、県内でいったん峠を越えた。国や自治体の資金繰り支援策がある程度行き渡り、多くの企業が当面の運転資金を確保したことがうかがえるが、経済が上向かなければ、再び資金需要が高まる可能性がある。
 県信用保証協会(静岡市葵区)は、新型コロナ関連の県制度融資(国連携新型コロナウイルス感染症対応貸付(かしつけ))で、借り手が返せなくなった場合に代わりに返済する保証業務を担う。同融資は、売り上げが前年より一定割合で減少した個人事業主や中小企業が、民間金融機関から最大四千万円を三年間、実質無利子で借りることができ、協会には春から夏にかけて保証の申し込みが殺到した。
 ただ、保証に応じた承諾数と承諾額を見ると、六月の一万四百二十件・千四百五十八億円をピークに、八月は三千五百九十五件・四百四十六億円と減少。担当者は「例年に比べると高水準だが、ピークは越えた。(対応に追われる)パニックのような状態ではなくなった」と話す。
 日本政策金融公庫が手掛ける「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の県内三支店への申し込みも減少傾向。七月は千百六十一件だったのが、八月は八百三十六件にとどまった。申し込みや相談が多かった春先は窓口に常時三、四人が待つ状況だったが、その後の非対面手続きの導入もあり、「窓口で待つ状態は解消された」(担当者)という。
 浜松商工会議所でも、一部実質無利子となるマル経融資(小規模事業者経営改善資金)の申し込みが、ピークの四月は三十件あったが、八月は六件に減った。担当者は「多くの事業所が当面の資金を確保した」と分析。ただ、今後について「春に半年分の運転資金を確保した事業者が多い。経営が軌道に乗らなければ、秋冬以降に再び資金需要が発生する恐れがある」と指摘する。 (伊東浩一)
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