中村哲さん追悼の木彫 地元講演に感銘『忘れない』 七尾・志田さん制作1カ月 完成 アフガン支援、武装集団に襲われ死去

2020年9月16日 05時00分 (9月16日 05時02分更新)
志田哲夫さんが仕上げた中村哲さんの木彫=七尾市大津町で

志田哲夫さんが仕上げた中村哲さんの木彫=七尾市大津町で

  • 志田哲夫さんが仕上げた中村哲さんの木彫=七尾市大津町で
  • 九条の会・七尾の講演会で話す中村哲さん=2009年11月、七尾市のワークパル七尾で

 アフガニスタンで医療支援やかんがい事業などを行うペシャワール会の現地代表で活動を続けながら、昨年武装集団に襲われ亡くなった医師中村哲さんをかたどった木彫作品を、七尾市大津町の彫刻家、志田哲夫さん(71)が完成させた。これまで中村さんの活動を応援していたといい、作品に追悼の思いを込めている。 (中川紘希)
 作品は高さ約五十センチ、幅約二十三センチ。現地で使っていたトレードマークでもある帽子をかぶった中村さんを彫り上げ、穏やかでありながら強い意思を感じるような表情にしたという。制作期間は約一カ月間で、現在は自宅に展示しており、知人らが見物に訪れている。
 九条の会・七尾が二〇〇九年十一月、中村さんの講演会を七尾市で開いたとき、志田さんも参加。対テロ戦争として行われた米国の爆撃で子どもや女性が犠牲になったこと、イスラム教に厳格なタリバン政権下で少なかったケシ栽培が政権崩壊後に増えたことなど現地の生々しい状況や、中村さんの活動への強い思いなどを聞き感銘を受けたという。
 志田さんは「医師でありながら、健康問題の根底にある水の汚染などに目を向け、解決に尽力した。本質を見抜く人だと思う」と振り返った。
 講演後、「話を聞いただけでは終われない」と、ペシャワール会に入会し、会費を払い応援し続けていた。「作品は追悼の気持ちと『忘れない』という思いで完成させた。これからも会の支援を続けたい」と話した。

 中村哲(なかむら・てつ)医師 1946年、福岡県生まれ。九州大医学部卒。84年にパキスタンの病院のハンセン病棟に赴任し、難民キャンプの一般診療に関わる。89年からアフガニスタンに活動範囲を広げ、2000年に飲料水やかんがい用井戸事業を始め、03年から農村復興へ大規模な水利事業に携わる。現地で貧困層の医療、農業などを支援する非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表を務めた。「アジアのノーベル賞」とも言われるマグサイサイ賞、旭日双光章などを受章。19年12月に武装集団に銃撃され73歳で死去。


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