満州引き揚げ 悲惨だった 金沢で経験者ら語る 細川さん「身を引き裂く思い」

2020年9月16日 05時00分 (9月16日 05時02分更新)
引き揚げ船の船員だった経験を語る細川尚さん=金沢市無量寺町で

引き揚げ船の船員だった経験を語る細川尚さん=金沢市無量寺町で

  • 引き揚げ船の船員だった経験を語る細川尚さん=金沢市無量寺町で
 旧満州(中国東北部)からの引き揚げ体験を語り継いでいる「北陸満友会」が十五日、金沢市無量寺町の金沢港クルーズターミナルで語り部の会を開き、県内の引き揚げ経験者らが当時を振り返った。 (堀井聡子)
 金沢市の細川尚(ひさし)さん(91)は、引き揚げ船の船員だった。海軍に入る前は、南満州鉄道で働いた経験があったことから縁を感じ、引き揚げに携わった。途中で寄港したフィリピンのマニラでは、現地の人から「日本のバカヤロー、帰れ」と怒号を浴びせられたという。
 満州に着くと、五十代くらいの女性から「この船は日本に行きますか」と尋ねられた。細川さんが「行きますよ」と答えると、そのままバタンと気を失った。細川さんは「それまでどれだけ気が張り詰めていたのか。皆鉄路を食うや食わずで歩き、仕方なくお年寄りを残していったり、子どもを中国人に預けたり、身を引き裂く思いで引き揚げていた」と悲惨さを語った。
 十歳ごろに引き揚げを経験した宮岸清衛(きよえ)会長(85)は、途中で兄弟を三人亡くしたことなどを振り返った。金沢大の小林信介教授も登壇し、満州体験の継承の課題について講演した。

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