合同説明会や動画配信で必要な情報の選択支援 高校生の就職活動

2020年9月16日 05時00分 (9月16日 05時00分更新)
配信する動画制作に向け、高校教員にインタビューするアスバシの鈴木友喬さん(左)=名古屋市で

配信する動画制作に向け、高校教員にインタビューするアスバシの鈴木友喬さん(左)=名古屋市で

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 高校生の就職活動で、合同企業説明会の開催や動画配信などでサポートする取り組みが広がりつつある。今年は新型コロナウイルスの影響で求人倍率が低下した上、休校や夏休みの短縮で志望企業選びの時間が限られる。状況は厳しいが、納得のいく就職には多くの情報に接し、自らの進路を選び取る姿勢が欠かせない。 (河原広明)
 七月末、高校生の就職支援企業ジンジブ(東京)が初めて名古屋市で開いた合同企業説明会。「求人票だけだと自分でどんな雰囲気か想像して選ばないといけない。実際に話を聞くことが大事だと痛感した」。緊張した面持ちで会場を巡っていた高校三年の女子生徒(17)は打ち明けた。説明会には愛知県内を中心に三十三社が出展。高校生ら八十五人が参加した。
 高校生は多くの場合、求人票を基に進路指導の教員らと相談して志望先を決め、学校の推薦を受けて応募する。地域によっては職場見学は応募予定の一社に限られる場合も。大学生の就活で当たり前の合同企業説明会も少ない。
 「進学情報はネットや本で入手が容易な一方、就職は難しい」。愛知県内の高校で長く進路指導経験のある教員はそう話し、「就職先の多くは中小企業で保護者も知らないことがほとんど。山ほどある会社の中からどう調べればいいのか、ネット検索にすら困ってしまう」と続けた。
 インターンシップ(就業体験)に力を入れたり、校内で企業説明会を開いたりする学校もあるが、流通する情報量は進学や大学生の就活と比べると圧倒的に少ない。情報不足のまま就職すると、ミスマッチによる早期離職につながるとの指摘もある。
 課題解消に向け、高校生就活を支援する団体や企業による情報発信の動きが広がり始めた。一般社団法人アスバシ(名古屋市)は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で二十本以上の動画を公開し、企業担当者や高校教員らへのインタビューを紹介。今春に高校を卒業し、制作を担当するスタッフ鈴木友喬(ゆたか)さん(18)は「進学でも就職でも、高校生が不本意な進路決定をしないように支えたい」と話す。
 「会社選びの前に考えること」など就活情報の動画を公開しているのは、アッテミー(大阪市)だ。高校で就職指導にも携わる同社の吉田優子代表は「進学ではオープンキャンパスへの参加など自分で調べて進めるのが一般的だが、就職は先生に任せきりの場合が多い」と指摘。「生徒が情報を主体的に取りにいくことは、就職時の納得感につながる」と強調する。
 高卒で就職した後に早期離職した若者らの相談に乗る人材紹介会社UZUZ(ウズウズ)(東京)のキャリアカウンセラー森川剛さん(25)は「同じ職種でも仕事内容は会社によって違う。具体的な情報を仕入れた方がイメージとのギャップを埋められる」と助言する。

求人倍率、10年ぶり低下

 厚生労働省が7日発表した来春卒業の高校生の求人倍率は7月末時点で2.08倍で、前年同期より0.44ポイント低下した。3年前の2017年の調査と同じ水準だが、前年を下回るのは10年ぶり。
 都道府県別では中部9県で最も低下幅が大きいのは愛知の0.67ポイントで、岐阜0.54ポイント、石川0.52ポイントと続く。求人数は前年同期比で24.3%減の約33万6000人。産業別では、新型コロナの直撃を受けた宿泊業・飲食サービス業が49.6%減と半減した。
 高校生の就職活動は7月1日の求人票公開でスタート。新型コロナの影響で例年より1カ月遅い10月16日から選考が始まる。

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