【「あなた」のお医者さん】24、最貧国で感じた無力 

2020年9月15日 05時00分 (9月15日 10時31分更新) 会員限定
 学生時代にフィリピンでボランティア活動をした時、「技術を身に付けていなければ現地に迷惑がかかる」と知りました。医師になってすぐ支援に行きたいと思っていましたが、大学で勉強しただけでは役に立ちません。一人前に近づきたくて日本で研修しました。
 医師四年目の夏休み、恩師の紹介でアフリカのマラウイに行き、診療の手伝いをしました。一人当たり国民総所得(GNI)が三百六十米ドル(二〇一八年)と最貧国の一つで、医師は人口三万人に一人しかいません。熱が出たときに一番多い病気はマラリア。エイズの流行も始まっていました。しかし、診断のための検査機器や薬は十分になく、全く無力でした。
 さらに四年後、再びマラウイに行く機会があり、国立病院の内科で働きました。病棟の患者さんの六割がエイズウイルス(HIV)感染者。エイズの治療薬ができたばかりで普及しておらず、入退院を繰り返して亡くなる方が大勢いました。草の根レベルで働き、現場から声を上げて状況を変えていきたい。この思いは今の診療所につながっています。
 現地では意外にも高血圧や糖尿病の方が多くいました。食事や運動で健康を維持するという教育も必要で、総合的なケアが...

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