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25年前の”制度改革”が世界に誇る競馬の礎に【本城雅人コラム】

2020年9月14日 12時41分

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牝馬三冠の期待がかかるデアリングタクト

牝馬三冠の期待がかかるデアリングタクト

◇ぱかぱか日和

 私が新聞社で競馬記者をしていた1995年、競馬界に大変動があった。それは大きく分けると5つあり、(1)クラシックに出走できない外国産馬のためマイルG1を創設(96年創設のNHKマイルC)(2)牝馬三冠路線を作るため秋華賞を新設し、既存のエリザベス女王杯は古馬に開放(3)地方競馬とのダート交流競走の実施(4)3歳未勝利馬を救済するため地方競馬に転厩後、JRA復帰を可能にする(5)JRAに入厩できない中小馬主のために、JRA移籍権を得られる「認定競走」を設けるなど…。
 このうち(1)は内国産馬の実力が追いつき、やがて外国産馬もクラシック出走が可能となったが、今は春注目のG1になった。(2)ではアーモンドアイなど牝馬三冠馬が誕生、今年はデアリングタクトに期待がかかる。ただ今思うと、改革は(1)、(2)のJRA内に向けたものより、(3)~(5)の馬、人、競馬場への「弱者救済」の意味合いが大きかった。とくに(3)の効果はてきめんで、ダートのグレード体系が生まれ、またJRA所属の未勝利馬が地方競馬場に出走(JRAが賞金の9割を補助)、武豊騎手など人気騎手がJRA馬に騎乗することで閑散としていた地方競馬場に多くのファンが訪れた。
 そして未勝利戦が終わるこの時期になるといつも、この制度ができて良かったと感じる。今はクラブ法人も地方競馬の馬主免許を取得。ゴルトブリッツやサマーウインドのように地方を経由して復帰し、重賞を勝った馬が何頭もいる。勝てずにJRAの登録を抹消された馬も戻ってきて活躍してほしい。
 これらの制度改革は当時の北原義孝副理事長、理事、業務企画部(今の総合企画部)が馬主会、調教師会、地方競馬幹部と何度も議論して作り上げた。あれから四半世紀。コロナ禍でも賞金が下がることのない、世界のどこにも負けない競馬を構築した功績には本当に頭が下がる。(作家)

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