山口さよさんの在宅41年(1)「自立」のかたち探して 高島碧(東海本社報道部)

2020年9月13日 05時00分 (9月19日 23時55分更新) 会員限定
山口さよさん(中央)と談笑する水谷宏江さん(左)と山路なつみさん=三重県四日市市伊倉で

山口さよさん(中央)と談笑する水谷宏江さん(左)と山路なつみさん=三重県四日市市伊倉で

  • 山口さよさん(中央)と談笑する水谷宏江さん(左)と山路なつみさん=三重県四日市市伊倉で
 「1980年ごろから自力で介助ボランティアを募り、一人暮らしを実現してきた先駆者」
 その紹介文に目がくぎ付けになった。昨年秋、三重県四日市市が講演会の告知のために作成したちらしにあった一人暮らしの重度障害者、山口さよさん(74)を説明した一文。その生活を四十年も続けている人が身近にいることに驚いた。しかも女性。会ってみたい、と思った。

介助を受け一軒家で

 午前中、約束の時間に自宅の一軒家を訪ねた。インターホンを押すと、学生の介助者が玄関に出て「さよさん、今お風呂に入っているんです」と、寝室に案内された。杉板張りの部屋にチェック柄のカーテン、ムーミンの人形が飾られ、流行の「北欧風の部屋」を思わせる雰囲気だった。
 別の介助者に車いすを押されて現れたさよさんのぬれた髪からは、湯気が出ていた。初対面なのに寝室で風呂上がり。私の緊張も自然にほぐれた。どんなことに気を付けながら、日々生活しているのだろう。聞くと「今の生活を続けること」。そして「あとは認知症にならないように」とちゃめっ気たっぷりに笑った。つられて私も笑った。
 大阪府内で生まれ、五、六歳は大阪市の障害児入所施設に入ったが、その後は小中...

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