静けさたたえる「祈りのかたち」 戸田浩二さん 北陸初の個展

2020年9月12日 05時00分 (9月12日 10時50分更新)
作品について語る戸田浩二さん(右)。左は珠洲焼の陶芸家・篠原敬さん=金沢市本町のアート玄羅で

作品について語る戸田浩二さん(右)。左は珠洲焼の陶芸家・篠原敬さん=金沢市本町のアート玄羅で

  • 作品について語る戸田浩二さん(右)。左は珠洲焼の陶芸家・篠原敬さん=金沢市本町のアート玄羅で

◇金沢のギャラリー


 古代の金属器などを思わせる器を焼き締めの技法で生み出し、国内外で評価を受ける茨城県笠間市の陶芸家戸田浩二さん(46)。北陸で初めてとなる個展「戸田浩二展 祈りのかたち」が、金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。
 茨城県内の土にこだわり、細い首や腰にかけてすぼまっていく「静ひつで、緊張感のある形」を追求してきた。ざっくりとろくろをひいた後に薄く削って成形。釉薬(ゆうやく)をかけずに高温で焼き締めることで、独特の肌合いと金属にはない温かみ、灰による偶然の景色がほどこされる。形そのものが静けさをたたえ、まさに「祈り」が込められているかのようだ。今回は水瓶(すいびょう)や瓶子(へいし)、香炉、鏡盤など20数点を展示する。
 愛媛県出身。もともとはサッカー日本代表を多数輩出した筑波大でディフェンダーとして活躍したサッカー選手だった。J2水戸ホーリーホックの前身である実業団チームでもプレーしたが、プロの道を断念し陶芸の世界に入るという異色の経歴を持つ。23歳で笠間焼の陶芸家伊藤東彦(もとひこ)さんに師事し4年後に独立。「サッカーはチームプレーだが、陶芸は自分ひとりが責任を持って打ち込めるところが合っていた」と笑う。

珠洲焼をきっかけに


 昨年、石川県珠洲市で開催された珠洲焼の復興400年記念展を見るために同市を訪れたことが、今回の個展開催のきっかけになった。「珠洲焼の下部がすぼまった緊張感のある形が参考になった」といい、1年間をかけて準備した。
 コロナ禍の中での個展に「こんな時だからこそ美術にできることがあるはず。そうでなければ何のために作ってきたのかと思う。少しでも心を穏やかにしてもらえたら」と話す。
 展示は22日まで。正午〜午後5時。水、木曜休廊。北陸中日新聞後援。(松岡等)

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