【コミュニティシネマ 街中銀幕から】インディペンデントリビング

2020年9月12日 05時00分 (9月12日 10時50分更新)
『インディペンデントリビング』の1シーン(ぶんぶんフィルムズ提供)

『インディペンデントリビング』の1シーン(ぶんぶんフィルムズ提供)

  • 『インディペンデントリビング』の1シーン(ぶんぶんフィルムズ提供)
 「新しい生活様式」によって、さまざまな場所のあり方が見直されている。場所の価値が問われている今、シネモンドも座席数を半分に減らして営業しているが、少しずつお客さまが戻ってきているように感じる。会話がなく、空調が効いていて、他人との接触も少ない映画館は、閉じこもっていることのストレスからの癒やしの場所になっていると思った。
 感染症対策で制限されていることは多いが、新たな可能性もある。八月に上映した『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』では、沖縄県の緊急事態宣言で県外に出ることができなくなった監督の舞台あいさつを、リモートで行った。ゲストに実際に来場していただいてサイン会を行うとか、身近に交流することができるに越したことはないが、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」などを利用することで、交通宿泊費などの予算を気にすることなく、遠方のゲストに複数人同時に出演していただくことが気軽にできる。ゲストと観客が双方向につながることもできる。
 オンライン観賞が劇場の売り上げにもなる「仮設の映画館」も画期的な試みだった。これとは別のオンライン上映だが、『インディペンデントリビング』という作品がある。シネモンドでの上映期間の十月三日から二週間は、オンラインの興行収入もシネモンドの売り上げに計上される。オンライン上映は映画館に見に行きたくてもできない方々にはとても有効だし、売り上げが劇場にも計上されるなら、競合相手にならず映画の宣伝を行うことができる。
 『インディペンデント−』は、障害者自身が運営に携わり、障害者が自立した生活を送るための支援を提供する大阪の自立生活センターで奮闘する人々を描いたドキュメンタリー作品だ。オンラインで見るか劇場で見るか、自分が見たい環境を選択することができるということが映画の内容にも合っている。障害があり、うまくいかないことと向き合いながら、いかに自由に生きるか奮闘する人々の姿に、多くの観客が「自由な暮らし」とはなんだろうと考えると思う。特に自宅待機を多くの人々が経験した今だから。(シネモンド支配人・上野克)

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