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世代トップ安定感で五輪金に照準 ライフル射撃・高木葵

2019年6月12日 02時00分

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標的を狙う高木=東京都北区の国立スポーツ科学センターで(堤誠人撮影)

標的を狙う高木=東京都北区の国立スポーツ科学センターで(堤誠人撮影)

 2020年東京五輪後を見据える岐阜出身の女子高生スナイパーが、世界への扉をこじ開けようとしている。日本オリンピック委員会(JOC)が展開するエリートアカデミーでライフル射撃の腕を磨く高木葵(16)は、岐阜市内の中学を卒業し、東京・成立学園高へ入学した昨年に国際大会デビュー。安定した姿勢には定評があり、目標とする五輪金メダルへ突き進んでいる。

銃握る鋭い視線

 銃を握ると、高木の視線は途端に鋭くなる。1時間15分で60発を撃つ10メートルエアライフルの試合中は、ひと言もしゃべらない。
 標的のど真ん中は10・9点。1ミリ以下のわずかな差が勝敗を分ける。ライフル射撃は、息が詰まるような時間を耐える精神力や、5キロあまりの銃を持ったまま同じ姿勢を保ち続ける体力などが欠かせない厳しい競技だ。
 「アーチェリーや射撃など、集中するイメージがある競技に興味を持った」と小学6年でビームライフルを始めた。岐阜清流中では2017年の全日本中学選手権10メートル少年女子立射40発に優勝。「もっと強くなるなら、県外に出た方がいいのではないか」とエリートアカデミーに進んだ。
 国際大会は、昨年6月のジュニアW杯(ドイツ)が初参加。その後も何試合か経験した。「海外の選手は、平気で一日に500発くらいを練習で撃つと聞いた。今の私は撃っても200発ちょっと。かなりの差があるので、もっと練習が必要」と刺激を受けている。今年も7月のジュニアW杯(ドイツ)などに出場を予定している。

振り返り大切に

 ど真ん中に当てても、ミスをしても、心が揺らがないように心掛けている。「撃っている間に、さっきの結果は考えないようにしている」。練習中に浮かんだ好感触、手応え、心境などはノートに書き、調子を落とした時に見返している。「ノートを見れば、だいたい調子が戻る。良かったときを軽く振り返ることは大事だと思う」と効果はてきめんだ。
 週に5日は銃を持ち、一日2~3時間の練習をこなす。筋力トレーニングやメンタルトレーニングも欠かさない。日本ライフル射撃協会の毛塚明善ジュニア育成委員会コーチ(42)は「高木の良いところは銃の止まり。安定感は同世代の中でも1、2を争う」と評価する。

最初の目標パリ

 もちろん、狙っているのは世界の頂点だ。「五輪で金メダルを取りたい。24年のパリ五輪が最初の目標」。五輪のライフル射撃で、日本女子のメダリストは1988年ソウル大会、スポーツピストル銀の長谷川智子だけ。ライフル種目では入賞すらない。歴史に名を刻むまで、鋭い視線で照準をにらむストイックな競技生活は続く。(堤誠人)
 ▼高木葵(たかぎ・あおい) 2003(平成15)年1月31日生まれ、岐阜市出身の16歳。160センチ、50キロ。小学6年の時にスポーツクラブ「岐阜市アビリティアップクラブ」で競技を始める。空手にも取り組み、中学2年の16年からはライフル射撃に専念。18年4月からエリートアカデミーに所属し、東京・成立学園高に通いながら練習を積む。1月のメイトン杯(オーストリア)では清水彰人(エリートアカデミー)と組んだ10メートルエアライフル男女混合で2位に入った。

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