五輪へ、感染対策本格化 IOC会長表明 ワクチン、開催条件にせず

2020年9月11日 07時18分 (9月11日 07時20分更新)

国際オリンピック委員会の理事会後、記者会見するバッハ会長=9日、ローザンヌで(IOC提供・共同)

 【ジュネーブ=共同】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は九日、オンライン形式での理事会後に記者会見し、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期した東京五輪・パラリンピックの安全な環境での開催実現に向けて「今後の数週間でコロナ対策の異なるシナリオについて、重要かつ集中的な協議を行う」と述べ、具体策の検討を本格化させる考えを表明した。ワクチンの開発は開催条件に位置付けなかった。
 感染が完全に収束していない「ウィズコロナ」の状況下でも開催を目指す意欲を改めて強調した形。今後はIOCと大会組織委員会が今月下旬に予定する調整委員会での議論が焦点となる。日本政府が四日に初会合を開いたコロナ対策調整会議などを通じ、取り組みの検討を加速させる。
 観客数の制限やチケット販売については「状況が日々変化している。判断期限を設けるのは時期尚早だ」と指摘。テニスの全米オープンや米プロバスケットボールNBAの開催実績を参考に、ソーシャルディスタンス(社会的距離)や渡航制限といった検討課題に取り組む方向性を示した。
 ワクチンや検査法の開発に関しては追い風になるとし「注視していく」と語った。中国が年内の実用化を目指しているワクチンに触れ「二〇二二年北京冬季五輪だけでなく東京五輪にも好影響をもたらすことを期待している」と言及。一方で「ワクチンは特効薬にはならない」とも述べた。
 同会長は、五輪の準備状況を監督するコーツ調整委員長が、コロナの有無にかかわらず大会は開催されると発言したことにも「全く問題はない。彼は安全第一の原則を重視すべきだと明言している」と理解を示した。IOCは「世界保健機関(WHO)のリスク管理と緩和措置に従う。全ての関係者が安全な環境で五輪が開催されるよう、この原則を守る」との公式見解を文書で回答している。

関連キーワード

PR情報