ハンド日本L 史上初400勝”M2” 大同特殊鋼 連勝で偉業達成だ
2018年11月1日 02時00分
ハンドボール日本リーグ男子の大同特殊鋼(名古屋市)がリーグ通算400勝まであと2勝に迫っている。3日の湧永製薬戦、4日のトヨタ紡織九州戦(いずれも石川・小松総合体育館)で連勝すれば、史上初の偉業達成。リーグ最多の18度の優勝を誇る老舗チームは今季、4勝1敗1分けと好スタートを切った。最速400勝を4年ぶりの優勝への契機にする。
前人未到の偉業を復権への通過点にしたい。大同特殊鋼の岸川英誉(ひでのり)監督(34)は「400勝は今までのOBが積み上げてきてくれた結晶で、自分たちはその瞬間にチームにいるというだけ。今季やってきたことを発揮し、その結果が節目であればうれしい」と冷静だった。
1964年創部の古豪は伝統的にスピードあふれる堅守速攻が武器。しかし今季はこれまで以上にフィジカル強化に取り組んだ。「5月の社会人選手権終了後、3カ月間はこれまでとは全く違う意識で体づくりをした」と岸川監督。筋力トレの回数を増やしただけでなく、食事、休息とのバランスを取るように工夫した。チーム専属の管理栄養士を置き、競技や個人に適した栄養補給法の助言を受けた。体格面の変化は体重などの数字にも表れ、強みのスピードにも奏功しているという。
滑り出しは好調だ。首位のトヨタ車体より2試合少ないながら4位につける。守備部門では、GK久保侑生(30)がシュート阻止率3割9分1厘で1位。7メートルスロー阻止率でもGK田中雄大(32)が5割でトップだ。岸川監督は「DFシステムは変えていないが、しっかり守って速攻に転じる意識をより強める中で、久保や田中がしっかり止めてくれている」と信頼を寄せる。
筑波大4年の2010年から大同特殊鋼でプレーしている守護神・久保は今季で9季目。「大同は他チームとは違う攻撃的な守備システム。ノーマークシュートやカットインからのシュート阻止を得意とする自分のスタイルとかみ合っている」と振り返る。
フィジカル強化をした同僚を、久保は「体を使ってプレーしようとしていて、DFに体を当てられてもシュートに行けるチャンスが増えている」と頼もしく見ている。「400勝は歴代の先輩方が積み上げてきた。大同らしい勝ち方で達成したい」。3年間遠のいている王座奪還に弾みをつける。 (伊東朋子)
▼大同特殊鋼ハンドボール部 1964(昭和39)年創部。愛称はフェニックス。チームカラーはイエロー。日本リーグには76年の第1回から出場し初代王者に輝いた。第3~第7回、第9回、第16回、第21回、第30~34回、第36~39回と日本リーグ最多の18度優勝。そのほか、日本選手権(旧全日本総合)で14度、社会人選手権(旧実業団選手権)で18度など国内の主要大会で最多の優勝を誇る。
▼ハンドボール日本リーグ 1976(昭和51)年に発足。現在は男子9チーム(大崎電気、トヨタ車体、大同特殊鋼、豊田合成、湧永製薬、トヨタ自動車東日本、トヨタ紡織九州、琉球コラソン、北陸電力)、女子9チームが参加している。今季は43回目。男子は第29回、女子は第38回から現行の上位4チームによるプレーオフを導入している。優勝回数は大同特殊鋼が18度、湧永製薬とホンダが8度、大崎電気の5度と続く。
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