音声入力で報告書、電子サイン デジタル技術で地銀変革
2020年9月10日 05時00分 (9月10日 05時01分更新)
中部地方の地方銀行の営業現場に、デジタル技術による変革を意味する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の試みが広がり始めた。従来はパソコンで打ち込んでいた記録文書の音声入力や、顧客と交わす書類のペーパーレス化で行員の負担を軽減。捻出した時間を顧客対応の充実に充てたり、時間外労働を減らしたりする狙いだ。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワーク(遠隔勤務)の重要性が強く意識されたことも、追い風になっている。(中野祐紀)
十六銀行(岐阜市)は、三千二百人の全行員に音声認識アプリを備えたスマートフォンの配布を終えた。IT企業のインテック(富山市)が開発したアプリで、スマホに向かって行員が話した内容を文章に書き起こしてくれる。
外回りの営業担当者らは帰社後、取引先との面談の結果を報告書として提出する必要があり、「熱心な人だと一日に五本ほど書く。それだけで一時間パソコンに向かうのは珍しくない」(行員)。面談直後の社用車内などで音声入力すれば時間が短縮でき、直接の帰宅にもつなげやすい。同行は、スマホのさまざまな機能を在宅勤務や在宅研修にも活用する方針だ。
愛知銀行(名古屋市)は、タブレット端...
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