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嶺南農家 サル対策に奮闘 「追い払い、柵を」専門家紹介 

2020年9月9日 05時00分 (9月9日 09時37分更新)
効果的な電気柵の設置方法を説明する赤座さん(右)

効果的な電気柵の設置方法を説明する赤座さん(右)

  • 効果的な電気柵の設置方法を説明する赤座さん(右)
  • 会場に展示されたエアガンを手に取る参加者=いずれも若狭町のリブラ若狭で
  • 芽吹いたばかりの大麦を食べるサルの群れ=2017年1月、嶺南地方で(県嶺南振興局提供)

 若狭町で研修会

 サルによる農作物の食い荒らし被害に悩まされている嶺南地域。農家たちはエアガンやロケット花火などを手に、サルを集落から追い払おうと奮闘している。一方、専門家は「サル獣害には追い払いと防護柵の両輪で。ノーマークの時に来ても大丈夫な備えをして」と指摘する。嶺南六市町でつくる嶺南地域有害鳥獣対策協議会などは、若狭町で研修会を開き、集まった農家らはサルから集落の田畑を守るための対策を考えた。 (高野正憲)
 講演した富山県野生鳥獣共生管理員の赤座久明さんは、集落の田畑などで餌を得ることができたサルの群れは、年平均で二割弱増加するという実験結果を紹介。「捕獲だけでは追いつかない。田畑に侵入させないことが大切だ」と強調した。田畑に仕掛ける柵については「電気柵が有効。サルの皮膚が露出した部分に電気を通すため、柵に上らせて手足を電線に触らせる工夫が必要」と話した。
 エアガンを使った追い払いなどを紹介した小浜市黒駒の地村敏幸さんは「サルが私の車や服を見ると逃げるようになった。集落に来る回数もある程度減った」と手応えを語った。
 美浜町からは町内五カ所に設置した餌を入れた大型おりで効率良く捕獲ができるようになったことを報告。高浜町は「柿の木を伐採したことでサルが来なくなった」と成果を語った一方で、おおい町からは「集落の過疎化が進み、所在者不明の柿の木が多くある」と悩みが寄せられた。
 県嶺南振興局によると、嶺南で確認できるサル群れは四十群で、嶺北の倍近い。衛星利用測位システム(GPS)発信機を取り付けた追跡調査で、山よりも集落内を周回する時間が長いことが分かっている。
 サル獣害の被害額を算出しているのは敦賀市、おおい町、高浜町。昨年度はそれぞれ、百四十六万円、二百二十九万円、三十万円だが、家庭菜園や小規模農家の被害を拾い切れていない場合があり、実態の把握は難しい。ある自治体の担当者は「(獣害の補償をする)農業共済に入っていない小規模農家は泣き寝入りだ」と明かす。
 十七戸のナシ農家がある若狭町岩屋の農業、吉田清隆さん(71)は「地区全体で収穫量の一割ほどをサルに食べられてしまう。ロケット花火で追い払うなど対策を打っているが、それをする若い人が働きに出る昼間の対策が課題」と話す。
 研修会は若狭町市場のリブラ若狭を主会場に、敦賀市中郷公民館とおおい町総合運動公園・悠久館でも同時中継して、計百五十人ほどが参加した。

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