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デジタル時代 本で形に コロナ禍「自分見つめ直す一助」 栄光プリント企画 10万円 自費出版

2020年9月9日 05時00分 (9月9日 05時03分更新)
詩集を自費出版した織田兼太朗社長(右)と出村有基常務=金沢市駅西本町の中日新聞北陸本社で

詩集を自費出版した織田兼太朗社長(右)と出村有基常務=金沢市駅西本町の中日新聞北陸本社で

第1号は詩集


 十万円で自分史や詩集の出版を−。金沢市神宮寺の印刷会社「栄光プリント」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の特別定額給付金の活用法として、自費出版を提案している。出村有基(ゆうき)常務(32)は「自粛生活で今までのことを振り返ったり自分を見つめ直したりすることが多かったと思う。それを表現する一助になれば」と話す。 (榊原大騎)
 自費出版をより気軽なものにしようと、同社の自費出版部門「栄光書房」の企画としてスタート。十万円があれば、写真なしで、モノクロ五十ページの作品を百部発行できる。ただ、これまでは自費出版を検討する人の中に「五十万〜百万円」というイメージは根強く、費用に関する問い合わせも多いという。
 今回の企画の第一号として出版に至ったのは、同市弥生の照明器具販売会社「和光照明」の織田兼太朗社長(57)。二〇一四年十月から今年七月までに、自身のフェイスブックのページでつづった文章を集めた詩集「Little Happiness(リトル・ハピネス)」を五日に二百冊発行した。いつかは形あるものにしたい、という思いを自身の誕生日に実現した。
 コロナ禍で人との会合もデジタル化していく中、織田社長は紙媒体の重要性を改めて感じるように。そんな時、フェイスブックを見ていた出村常務から出版の誘いもあり、背中を押された。「デジタルで言いたいことが本当に伝わるのかと思っていた。本という形で残るというところがポイント。インテリアの一つとして置いてもらえるものにした」と語る。
 出村常務は「会員制交流サイト(SNS)に投稿する人は多いが、それはどんどん流れて埋もれてしまう。自費出版という選択もあると知ってもらいたい」と呼び掛け、「例えばスペイン風邪の時の庶民の日記が今も残されていて、それは貴重だと思う。小さな声を拾っていくことも私たちの役割」と話している。
 今後は、新型コロナに関する研究や手記など、後世につながるものへの割引も検討する。(問)栄光プリント076(251)3076

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