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高野連、熱中症対策で解禁 白スパイク クール

2020年9月7日 05時00分 (9月7日 10時03分更新)
白スパイクの製品をアピールするミズノのサイト

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  • 白スパイクの製品をアピールするミズノのサイト
  • 白スパイクを履いて甲子園交流試合に臨んだ日本航空石川の田中颯希さん=8月16日、甲子園球場で

航空石川など採用


 黒い土に、白いスパイクが映えた−。日本高野連が熱中症対策として、公式戦での白いスパイク着用を解禁して初めて迎えた今夏。8月の甲子園交流試合では出場32校中、日本航空石川を含む14校が白スパイクを使用した。選手の技術のみならず、野球用具も日々進化しており、高校野球の装いが大きく変わろうとしている。 (阿部竹虎)
 「いつもと違う色を履いて、モチベーションが上がった」と振り返るのは、交流試合で登板した日本航空石川の田中颯希さん(三年)。夏の県大会までは黒スパイクを履いていたが「立ち止まってミーティングをしているときや、ベンチで過ごしているとき、熱がこもる感じがあった」。甲子園で履いた新たなスパイクは「あまり暑さを感じなかった」。
 試合があった八月十六日、甲子園球場に近い神戸市の最高気温は三六度を記録した。午後三時二十分ごろに始まった試合は西日が強く照り付けたが、ナインはどこ吹く風。前主将の井口太陽さん(同)も「体感温度が下がったと思う。白スパイクの初代になれてうれしい」と語った。
 スポーツ用品大手のミズノ(大阪市)によると、夏の最高気温三二度の炎天下で白と黒のスパイクの内部温度を調べた結果、白は調査開始から一時間後も四〇度台前半と、黒より一〇度ほど低かった。「球児たちの『汗』『泥』『涙』で自分色に染めてほしい」と自社サイトでアピールする。
 黒のスパイクは長年の習わしで球児に愛用されてきたが、近年は夏の熱中症対策への理解も広まっている。交流試合では、星稜など黒のスパイクを使った出場校が過半数だったものの、日本航空石川のほか、明徳義塾や大阪桐蔭などの強豪も白スパイクを選択。同社によると、全国的な注目を集め、少しずつ売れ行きが伸びているといい、担当者は「水分補給といった基本的な熱中症対策を万全にした上で、選手のパフォーマンス向上に寄与できればありがたい」と話す。
 県内でも導入が広がる兆しが出てきた。小松商は、来春以降の試合に出る選手は白スパイクに統一する方針。ただ、学童野球のころから黒のスパイクに愛着がある選手もおり、秋の県大会はチームでスパイクの色が混在する可能性もあるという。久徳徹部長は「既に高価な黒いスパイクを履いている選手もおり、保護者の負担も考えるとすぐには統一できない」と話す。
 高野連は二〇二一年度までは暫定的に混在を認める。一方で、チームによっては伝統を重んじる考え方も根強く、足元を巡る黒と白の攻防は続きそうだ。

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