田島の後輩、12回138球完投 ドラフト候補・立野で東海理化勝利
2018年11月3日 02時00分
社会人野球日本選手権1回戦3試合があり、東海理化(愛知)はタイブレーク制の延長12回、4-1で室蘭シャークス(北海道)に競り勝ち、都市対抗(5度)を含め8度目の挑戦で全国大会で初勝利。来年ドラフト候補の先発・立野和明投手(20)=中部大第一高=が12イニングを投げきった。西濃運輸(岐阜)は信越クラブ(長野)を2-1で振り切り、3年ぶりに初戦を突破した。
1959年創部の東海理化に、全国大会初勝利をもたらした。立野が延長12回、タイブレークまでもつれた熱戦を4安打1失点で完投。試合終了の瞬間は右腕を大きく突き上げた。中日・田島の後輩に当たる高卒2年目の来年ドラフト候補は「これは通過点。日本一を目指しているので」と平然と言ってのけた。
歴史を刻む初勝利にふさわしい激闘、そして快投だった。立ち上がりから飛ばし、1回の先頭打者への2球目に自己最速を1キロ更新する150キロをマーク。「全国大会で150キロを出したかった。そこから、野球に集中という感じだった」。その言葉どおり、ストレートとスプリット、カットボールを駆使して、6回まで1人の走者も許さない完全投球を披露した。
7回の先頭打者に初安打を許し、1点リードの9回は2死走者なし、2ストライクと追い込んでから内野安打と、中前打を中堅手が後逸(記録は三塁打)する間に同点とされた。だが、「9回では終わらないと思っていた」と崩れることなく、再びギアを上げて、12イニング138球を投げきった。
中部大第一高時代から注目を集め、社会人では1年目から公式戦で大事な場面でのリリーフを経験。寮の自室で炊いた3合の白米を練習に持参し、体重を10キロ近く増やしたことで、最速142キロだった直球に磨きがかかった。中日の中田スカウトディレクターは「肩周りが柔らかく、見るたびに良くなっている。1位候補に入ってくる」と絶賛。全国大会初の先発で、20歳の若きエースが躍動した。 (麻生和男)
▼立野和明(たての・かずあき) 1998(平成10)年4月3日生まれ、愛知県豊山町出身の20歳。181センチ、78キロ、右投げ右打ち。小学1年から豊山フェニックスで野球を始め、中学時代は東海チャレンジャーボーイズでプレー。中部大第一では1年秋からベンチ入り。2年秋からエース。東海理化では1年目から都市対抗予選で登板。1年目の昨年はホンダ鈴鹿、今年は東邦ガスの補強選手として、都市対抗を経験(昨年は登板機会なし)した。
▽1回戦
東海理化(愛知) 100000000003―4
室蘭シャークス(北海道) 000000001000―1
(延長12回、12回からタイブレーク)
信越硬式野球クラブ(長野) 000000010―1
西濃運輸(岐阜) 20000000x―2
NTT東日本(東京) 000001000000―1
パナソニック(大阪) 001000000001―2
(延長12回、12回からタイブレーク)
(N)沼田、末永、大竹-上田、高橋
(パ)榎本、藤井聖-三上
関連キーワード
おすすめ情報
-
次の目標は『西日本の初優勝』、東海学生春季Lを制した大同大・男子ハンドボール部が抱負
2022年5月26日
-
名城大の2季ぶり12度目の優勝が決定 最終週の対戦相手が出場辞退【愛知大学野球】
2022年5月20日
-
明大・DF岡哲平、右でも左でもキックをこなす20歳がパリ五輪目指す【サッカーU-21】
2022年5月20日