本文へ移動

高校野球一筋の男が女子野球 至学館大学野球部に65歳新指揮官

2019年2月15日 02時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
ノックする至学館大女子硬式野球部の森淳二総監督(左から3人目)=愛知県大府市の同大グラウンドで(麻生和男撮影)

ノックする至学館大女子硬式野球部の森淳二総監督(左から3人目)=愛知県大府市の同大グラウンドで(麻生和男撮影)

 愛知県高野連前理事長の森淳二さん(65)が、今月から至学館大女子硬式野球部の総監督に就任した。深沢美和監督が産休に入るため、総監督ながら実質的な指揮を執る。森さんは日本一の目標と、長年携わった野球への恩返しを胸に再びバットを握った。
 本人が驚いたのだから、周囲が驚くのも無理はないだろう。愛知商、明和高、木曽川高などで監督、部長、副部長を歴任し、県高野連の理事長も務めた。高校野球一筋だった指導者人生の次なるステージが女子野球になるとは、森さん自身も想像していなかったようだ。
 「まさかですよ。でも、せっかくお話をいただいた。これもご縁です」
 女子プロ野球出身の深沢監督が産休に入るため、指導者を探していた至学館大側から就任依頼があったのは昨年11月。女子生徒の多い愛知商での勤務が長かったこともあり「接し方には慣れている」と言うが、女子選手に野球を教えるのは初めて。それでも、大学側の理念を聞き「一から勉強できる、ありがたい機会」と快く引き受けた。
 思いの裏にあるのは野球界への恩返しだ。指導歴は35年を超え、県高野連理事長として社会人チームとの交流による指導者講習や、全国の強豪校との招待試合を開催するなど普及・発展や強化に大きく貢献した。
 長年、高校野球に携わる中で少年野球人口の減少を目の当たりにしてきた。「選手が親になった時、子供に野球を伝えてくれるかもしれない。そういう人材を育成するのも仕事」。女子野球の発展が、野球離れを食い止めるきっかけになるかもしれない。底辺拡大に一役買うつもりだ。
 「言葉は優しく、やることはシビアに」と森さん。声掛けこそ穏やかだが、内野ノックでは厳しいコースに打ち分け、選手を鍛える。「スピード感は男子と違うが、ノックをしてもそれなりにできる。大学でも野球を続ける子たちだから、意識は高い」。県高野連で事務局長を務めた杉浦譲さん(65)も4月からコーチに就任。二人三脚で本格指導する。
 目標は、年に2度開催される全国大会での優勝だ。「やるからには日本一にさせたい。プロを目指している選手もいるから責任も感じる」。再びユニホームを身につけ、新たな勝負の世界に飛び込む。 
  (麻生和男)
 ▼森淳二(もり・じゅんじ) 1953(昭和28)年8月3日生まれ、名古屋市出身の65歳。現役時代は内野手。愛知商-早大を経て社会科教諭に。木曽川高、愛知商などで監督や野球部長などを歴任。愛知商監督としては夏16強が最高成績。2012年から18年まで愛知県高野連の理事長。退任後も相談役として県高校野球の普及や強化に尽力した。
 ▼大学女子硬式野球 全国大学女子硬式野球連盟などが中心となり5月に高知県、9月に愛知県で全国大会が開催される。至学館大など8校が出場し、日本一を争う。尚美学園大、平成国際大が強豪として知られる。至学館大は2017年に地元開催の大会で優勝した。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ