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グラウンドに早く来るだけが「準備」じゃない 田口壮、岩村、メジャーの教え名商大に

2019年2月23日 02時00分

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練習中にノックする名商大の赤松幸輔コーチ=名商大グラウンドで

練習中にノックする名商大の赤松幸輔コーチ=名商大グラウンドで

  • 練習中にノックする名商大の赤松幸輔コーチ=名商大グラウンドで
  • 練習で身ぶり手ぶりを交えながら指導する名商大の赤松幸輔コーチ(右)
 愛知大学野球リーグ2部の名商大に、今年からプロ経験を持つ赤松幸輔コーチ(26)が就任した。同校のOBで、育成選手だったオリックスのほかルートインBCリーグ(BCL)の福島などでも捕手としてプレー。昨季限りで現役を引退し、5日に学生野球資格を回復した。名商大は5度の1部優勝経験がありながら、2014年春からは2部に低迷。母校の1部復帰に向け、プロでの経験を踏まえた指導を行っている。
 「体の正面の球はきっちり捕れよ!」。練習で次々と指示が飛ぶ。声の主は新しく就任した赤松コーチ。上川恭宏監督(41)からは主に野手の強化を任され、ノックではプロ仕込みの強烈な打球を飛ばす。
 「指導はやっぱり難しいですね。こちらが教えたいことを伝えるのに苦戦しています」。新米コーチだけに、試行錯誤するのも無理はない。それでも「選手は素直だし、やりがいはあります」とやる気は十分。チームでの信頼も増しているという。
 転身のきっかけは名商大時代の恩師で、昨年まで監督や総監督を務めた中村順司さんの勧めだった。師の教えに加え、指導の礎とするのは、かつて出会った2人の教えだ。オリックス時代の田口壮2軍監督(現1軍野手総合兼打撃コーチ)と福島時代の岩村明憲監督。ともに、ワールドシリーズを経験した元メジャーリーガーだ。
 「プロ出身の指導者でメジャーリーガー2人に教わった人はそんなにいないでしょ」と赤松コーチ。教えているのは高度な内容と思いきや、極めてシンプルだ。「田口さんや岩村さんからは『野球は準備と習慣が8割を占める』とよく言われました。僕はそこを一番伝えたい」と語る。
 「準備」とは、グラウンドに早く来て体を温めることだけではない。セオリーなどプレーの前提も含まれる。昨年まで現役だっただけに、最新の理論は身についている。さまざまな準備の仕方を習慣づけることも指導者として心掛けている。
 さらに、量をこなすことも求める。選手が準備を早く済ませて有効に時間を使えば、教わった理論を実践する時間も多くできる。だからこそ、選手には鬼軍曹的な立場から時間の使い方や、練習や試合への入り方を厳しく指摘するという。
 時にはプレーの手本を見せる赤松コーチについて、上川監督も「選手との年齢が近いですし、いい効果が出ると思います」と信頼する。目指しているのは早期の1部昇格。「ウチの選手は教えがいがありますよ」。願いをかなえるため、厳しく目を光らせる。 (川越亮太)
 赤松コーチに指導者への転身を勧めた中村前総監督も大きな期待をかけている。昨年限りで総監督を退任した中村さんが勇退を決めた理由の一つが、教え子だった赤松コーチの就任。「彼は安心して僕の後を託せます。いろいろなことがあるとは思うが、プロで経験したことを選手に伝えて、若さを生かして頑張ってほしい」と同校OBの一人としてエールを送った。
 ▼赤松幸輔(あかまつ・こうすけ) 1992(平成4)年6月5日生まれ、愛媛県宇和島市出身の26歳。広島・瀬戸内高から名商大に進み、2年秋に愛知大学リーグのベストナインを指名打者で獲得。四国アイランドリーグプラスの香川を経て2015年秋の育成ドラフトでオリックスから2位指名。NPB時代の2年間は支配下選手登録されなかった。18年はBCL福島の選手兼コーチとして69試合に出場し、打率3割4分7厘、8本塁打、56打点。同年限りで引退した。

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