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商機求めマスク生産新規参入も 販路や価格など課題 

2020年8月26日 05時00分 (8月26日 12時06分更新)
工場を改装した無菌室でマスクの生産に取り組むアライブテックの社員=浜松市南区で

工場を改装した無菌室でマスクの生産に取り組むアライブテックの社員=浜松市南区で

 新型コロナウイルスで需要が高まったマスクや消毒液に商機を求め、異業種から参入した企業は少なくない。板金加工業、アライブテック(浜松市南区)は県の補助事業に採択され、不織布マスクの生産に乗り出した。コロナ禍で本業の売り上げが激減する中、生き残りと社会貢献の両立を目指すが、いきなり壁にぶつかっている。 (牧野新)
 板金加工と、生産ライン向けロボットなどの受注生産が主力。コロナ禍で数千万〜数億円単位の受注が止まり、二〇一九年八月〜二〇年七月期の売り上げは前期比で三割ほど落ちた。
 佐藤只康社長(47)は「コロナによる変化に対応しないと生き残れない。利益を少しでも出す新事業を考えた時、社会貢献も同時にできるマスクが浮かんだ」と話す。
 県から一千万円の補助を受け、中国からマスク生産機を輸入した。工場の一角を無菌室に改装し、全三十人のうち三人の社員と、新たに雇ったパート従業員十人で七月から生産を始めた。
 マスク生産は初めて。既製品を分解し、構造を理解することから始めた。殺菌とウイルスを99%カットする三層構造を採用し、人の目による微物の検査を徹底した。品質の高さを認めたリネン業者や医療機器メーカー、病院から注文があった。
 機械に材料が詰まったり、耳ひも部分の切断ができないなど、トラブルもたびたび発生。一カ月百万枚の生産を見込んでいたが、現状は四十万〜五十万枚にとどまる。
 販路の開拓にも課題がある。マスクの品薄が続いたいっときと比べ、市場は既に飽和状態に近い。大量生産による低価格を売りとする中国製や、高品質を掲げる国内大手企業製との価格競争もある。
 「国産マスクは貴重。とにかく質で勝負するしかない」と佐藤社長。「続けていけるか不安。税金を使っているし、地域のためにも適正価格で販売したいが厳しい」と漏らす。

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