亡きコーチとの約束を胸に…卓球の浜松修学舎高・駒瀬が目指す全国制覇「少しでも活躍することが恩返し」

2020年8月25日 19時34分

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「今は卓球が楽しい」と話す駒瀬ゆめ

「今は卓球が楽しい」と話す駒瀬ゆめ

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◇羽ばたけ中部勢


 浜松修学舎中2年のとき、卓球の全日本選手権カデットの部(14歳以下)シングルスで8強入りした浜松修学舎高2年の駒瀬ゆめ(16)は、過去の自分を超えようと、来年の全国高校総体でベスト4以上を目指す。一度は競技と向き合う気力を失いかけたが、4月に亡くなったコーチとの約束を胸に再び闘志を燃やす。「優勝を狙わないとベスト4にも入れない」と公の場で初めて優勝の言葉も口にした。
 3年前の8強は駒瀬の心のよりどころであり、苦しみの種でもある。
 「あの大会は練習の成果を出せて、一度も勝ったことのない相手に勝てた。練習をやってきてよかったと思える瞬間だった」
 大会前の約2カ月間は、全体練習後も居残りの自主練に汗を流した。遅い日は夜の11時を回ることも。これまでの全国大会は思うような成績を出せず、不安が自身を駆り立てた。16強、8強を懸けた戦いはいずれもフルゲームとなる大接戦に。「もうだめかなと思う時もあったけど、ベンチコーチの今福さんが大丈夫と言ってくれて、気持ちを切り替えられた」
 今福さんとは浜松修学舎中・高の今福護総監督(64)だ。現役時代は浜松市を拠点とする実業団、ヤマハでプレーした。チームの休部により発足したヤマハクラブに隣接の磐田市から幼少期の水谷隼(31)=木下グループ、伊藤美誠(19)=スターツ=が通った縁で、将来の五輪メダリストを指導した。
 「隼や美誠と同じように、駒瀬にも他の人にない能力があるので期待している」。型にはめず、個性を伸ばす教えが身上の指揮官は教え子の飛躍を待ち望む。
 自身、周囲の期待とは裏腹に、駒瀬は8強入り以降、思うようなプレーができずに伸び悩んだ。「卓球をやりたくない」。ふさぎ込んだ時期に支えてくれたのは、今年4月に58歳で亡くなった今福総監督の妻、節子コーチだった。「私も頑張るから、あなたも頑張りなさい」。言葉以上の励ましを感じ取った。
 「何か大病を患っているとうすうすは気づいていたけど、あんなに早いとは。今でも練習場に元気な姿で現れそうな気がする」と駒瀬。棺には「約束を守ります」と競技に打ち込む誓いをつづった手紙を入れた。
 「中学から親元を離れた寮生活なので、節子さんは母親のような存在だった。母よりもたくさん話した」
 かけがえのない心の支えを失ったが、気持ちは奮い立っている。「卓球で世界に出てみたいので、まずは来年のインターハイ。少しでも活躍することが節子さんへの恩返し」。新型コロナウイルスの影響で試合が中止となり、心に余裕も生まれる。「今は卓球が楽しい。後で後悔しないよう今を頑張る」。はい上がる時に人は強くなる。
 ▽駒瀬ゆめ(こませ・ゆめ) 2003(平成15)年12月29日生まれ、岐阜県美濃加茂市出身の16歳。152センチ、46キロ。右シェイク。両親が卓球競技者で物心ついたときにはラケットを握っていた。全日本選手権カブの部(小学4年以下)シングルスでベスト16。全日本ジュニアには中1から連続出場する。

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