【石川】来まっし オンライン近江町 コロナ苦境 案内動画配信へ

2020年8月25日 05時00分 (8月25日 11時51分更新)
おすすめの魚介類を店員に聞く「こはく」の山田滋彦代表(中)と谷口直子取締役(左)。9月から市場の活気をオンラインで配信する=金沢市の近江町市場で

おすすめの魚介類を店員に聞く「こはく」の山田滋彦代表(中)と谷口直子取締役(左)。9月から市場の活気をオンラインで配信する=金沢市の近江町市場で

  • おすすめの魚介類を店員に聞く「こはく」の山田滋彦代表(中)と谷口直子取締役(左)。9月から市場の活気をオンラインで配信する=金沢市の近江町市場で

金沢「こはく」「知恵借りて客増やせれば」

 金沢市民の台所、近江町市場の様子をオンラインで見ながら、視聴者がまるで市場にいるかのように買い物が楽しめる取り組みを金沢市内の企業が9月から始める。新型コロナウイルス感染拡大で観光客が激減する中、旬の食材と市場の活気を伝え、買い物客を取り戻すのが狙いだ。名古屋市の総合商社の労働組合が、業務で培ったノウハウを生かし、ボランティアで後押ししている。(戎野文菜)
 新たな試みに乗り出すのは、市場の食材を箱詰めして全国発送している金沢市本町の「こはく」。これまで金沢を訪れた外国人をターゲットに日本料理を作ったり、寺で写経したりする体験型の観光サービスも提供してきた。
 コロナ禍で観光客が激減し、四、五月の収益はほとんどなくなった。苦境の中で五月から、市場の魚介類や野菜を詰め合わせにして発送する「イチバのハコ」を開始。お薦めの食材を会社のホームページに掲載し、インターネットや電話で注文を受け付けた。全国から注文はあったが売り上げは伸び悩んだ。そこで視聴者に市場の様子そのものを発信し、リピーター増につなげることに。市場関係者にはボランティアで動画に参加してもらう。
 協力を申し出たのが大手商社・豊田通商の労働組合員。この組合は、専門知識を生かした社会貢献活動「プロボノ」に力を入れており、こはくの山田滋彦代表(38)が以前、この商社で働いていたのが縁となった。
 専用サイトを立ち上げ、オンライン会議システムを使って配信する。こはく取締役で料理研究家の谷口直子さん(46)が近江町市場内を案内し、視聴者は、魚や野菜の旬やお薦めの食べ方について店員の説明を聞きながら、観光客になった気分で買い物ができる。こうしたアイデアもプロボノがきっかけで生まれた。
 今回のプロボノには、豊田通商でイベント企画やマーケティングなどの業務に携わる十一人が参加する。オンライン会議システムで五月から議論を重ねてきた。山田代表は「プロボノで知恵を借りて商品の魅力を伝え、新たなお客やリピーターを増やせれば」と意気込む。豊田通商労組の田原晟也(せいや)さん(27)は「アイデアを無償で提供する代わりに、会社の中では得られない知識や経験、人のつながりが得られた」と成果を強調した。

プロボノ=専門知識で社会貢献

(メモ) プロボノ 社会人や専門家が仕事などで培った知識や経験を生かして社会貢献する活動。ラテン語で「公共のために」を意味する。米国で弁護士らが始め、2000年ごろから他の職種にも広がった。参加者は事務職や営業職、技術職と幅広い。年代は30〜40代が中心。転職を考える人が力試しに参加することもある。希望者と支援を求める団体をつなぐNPO法人「サービスグラント」(東京)は11年前に設立。900件以上のプロジェクトを実現させた。


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