【本城雅人コラム】先輩・石橋師に厩舎初G1をプレゼント、これだけうれしさをあらわにする武豊騎手を久々に見た
2025年6月16日 07時00分
◇中央競馬コラム「ぱかぱか日和」
これだけうれしさをあらわにする武豊騎手を久々に見た。メイショウタバルによる見事な逃げ切り勝ち。1000メートル59秒1とよどみないペースだったが、後方のジョッキーたちは「これはユタカさんにやられる」と感じたはずだ。べラジオオペラの横山和生騎手が並びかけた。だがぎりぎりで前に出さない。それは武騎手がコーナーワークで引き離せることまで計算しているからだ。前走ドバイターフで5着に入ったが、その前は日経新春杯11着、菊花賞16着と2桁着順が続いた。その馬をグランプリホースにしてしまうのだから、武豊はやはりすごい。
これだけうれしさをあらわにする武豊騎手を久々に見た。メイショウタバルによる見事な逃げ切り勝ち。1000メートル59秒1とよどみないペースだったが、後方のジョッキーたちは「これはユタカさんにやられる」と感じたはずだ。べラジオオペラの横山和生騎手が並びかけた。だがぎりぎりで前に出さない。それは武騎手がコーナーワークで引き離せることまで計算しているからだ。前走ドバイターフで5着に入ったが、その前は日経新春杯11着、菊花賞16着と2桁着順が続いた。その馬をグランプリホースにしてしまうのだから、武豊はやはりすごい。
うれしかったのは石橋守厩舎の所属馬ということもある。石橋調教師は競馬学校の2期先輩。普段の武騎手は後輩のくせに、おとぼけキャラの石橋調教師をいじってばかりいるのだが、酒を飲むと先輩後輩の関係に戻る。明るく飲む石橋調教師のグラスが空になると、武騎手がグラスに氷を入れて水割りを作るのだ。「たぶん、僕は石橋さんの前では酔ったことがないと思いますよ」とか。武騎手は石橋さんと過ごす時間がとても楽しく、心地いいらしい。メイショウサムソンで石橋調教師がダービージョッキーになった時、一番喜んだのが武騎手だ。調教師試験に合格した時も誰よりも祝福した。その石橋厩舎を初めてのG1制覇に導いたのだから、これ以上の歓喜はない。
来年予定されている世界騎手リーグに出場する12人に選ばれている武騎手。私は2000年、武騎手が米国西海岸に移籍した時の言葉が忘れられない。「西海岸にはトップジョッキーが世界中から集まってくるんです。平場戦であっても全員がトップジョッキーですよ。ゲートに入った瞬間、世界のオールスターと戦う気分になります」
あれから四半世紀が経つが、武騎手の地位は変わらない。また1つタイトルが増え、世界のライバルたちからたたえられる姿が目に浮かぶ。(作家)
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