本文へ移動

インドネシアが固めた守りを個の力で崩し、決める…久保建英こそ日本の10番にふさわしい

2025年6月11日 12時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本―インドネシア 前半、2点目を決め喜ぶ久保


◇コラム「大塚浩雄のC級蹴球講座」◇10日 W杯北中米大会アジア最終予選C組最終戦 日本6―0インドネシア(パナソニックスタジアム吹田) 
 オーストラリア戦から9人のメンバーを入れ替え、平均年齢24・4歳と史上最も若いチームとなった日本代表。その中で、異次元の存在感を示したのが24歳のMF久保建英だった。
 1点をリードした前半19分、ショートコーナーから鎌田のヒールパスを受けた久保はドリブル突破からシュート。GKが足で弾いたボールを町野が落とし、これを拾った久保はダブルタッチで相手をかわすと、わずかな隙間を狙ってゴールの天井にシュートを突き刺した。
 さらに前半終了間際、ゴール前に侵入した鎌田に、相手の急所をえぐる絶妙のパス。最後は鎌田が鮮やかなドリブルからゴールを決めたが、久保のパスが通った時点で相手の守備は崩れていた。この2点で、ゲームは決まった。そして後半13分にはフワリと浮かせた絶妙のパスで町野のゴール、チーム5点目をアシストした。
 決めきる力、そして崩しきる力。個の力で局面を打開し、試合の流れを大きく変えてしまう。これこそ10番に求められる能力。加えて最近の久保は献身的な動きで守りでも貢献し、日本代表の大黒柱的存在となりつつある。
 前回のW杯カタール大会、優勝したアルゼンチンにはメッシがいた。準優勝のフランスにはエムバペがいた。3位クロアチアにはモドリッチがいた。メッシとエムバペは圧倒的な突破力と決定力で、モドリッチは卓越したゲームメーク力でチームをけん引した。ベスト16に終わった日本には、そんな絶対的な選手がいなかった。
 確かにインドネシアと世界のトップレベルとは大きな力の差がある。とはいえ、スタメンをオランダ出身選手8人、イタリア出身選手1人で構成するインドネシアは、アジア予選プレーオフ進出を決め、チームを熟成していけばW杯切符を手にする可能性も十分にある。そのインドネシアも5―4―1システムで守りを固めてきたが、久保はそのブロックを個の力で手玉に取った。
 出場権がかかっていたオーストラリアは、ホームでなりふり構わず守りを固めてきた。日本は圧倒的に攻め続けたが、シュートが枠に飛ばず、終了間際にワンチャンスを決められて0―1で敗れた。この試合も久保が先発していれば、違った流れになっていたかもしれない。
 この日は遠藤がスタメン出場したにもかかわらず、森保監督からキャプテンマークを託された久保は、こう振り返った。「いつもキャプテンマークを巻いている遠藤選手が、球際のところだったり、ネガティブトランジションのところでしっかりしたものを見せてくれるので、今日はボクが遠藤選手になったつもりで、切り替えのところは誰よりも早くやろうと心がけてやって、何回かいいパスカットだったり、ボール奪取からの攻撃につなげられて、よかったなと思います」
 今年に入って森保監督の久保に対する期待値が一気に高まってきた。所属するレアルソシエダでも7ゴール4アシスト、日本代表でも中心的な存在となりつつある。メンタルの強さ、プレーの質と能力の高さ、2列目というポジション。久保こそ日本の10番にふさわしい。
 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)。
おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ 電子版