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<リニア 遠のいた開業>(2) 大井川の水

2020年8月19日 05時00分 (8月19日 05時01分更新)
スプリンクラーの散水テストをする山本守日瑚。大井川の水が特産の茶をはぐくむ=静岡県牧之原市で

スプリンクラーの散水テストをする山本守日瑚。大井川の水が特産の茶をはぐくむ=静岡県牧之原市で

  • スプリンクラーの散水テストをする山本守日瑚。大井川の水が特産の茶をはぐくむ=静岡県牧之原市で
 スプリンクラーから放たれた水が、深緑の葉を潤す。見渡す限り茶畑が広がる静岡県中西部の牧ノ原台地。日本を代表する茶の産地の生命線は、大井川からくみ上げる水だ。「コックをひねれば水が出てくるのが当たり前。だからこそ、作物も順調に育つ」。この地で代々、茶園を営む山本守日瑚(もりひこ)(62)は語る。
 明治期に入植が始まり、かつては水利の悪さに苦しんだ。今は導水路を通じて大井川の水を取水し、夏期には毎秒約三トンの水が各農家に振り分けられる。山本は週に一度のペースで茶畑に水をまくが、水不足への不安は残る。
 流域では二〇一八年十二月〜翌一九年五月に百四十七日間の自主節水が求められるなど近年、毎年のように渇水に悩まされる。夏には毎年、十分な水を畑にまけるのか気をもむ。八月に出る芽は、翌年の一番茶が育つ枝になる。この時期に水が不足すると、芽が伸びず、翌年の収穫量に影響する。山本は「少しでも水が減るだけで、茶の生産にはかなりの打撃だ」と語る。
 この大井川の水が、リニア中央新幹線の二七年開業に向けた最大の障壁となった。静岡県は、県内で実施される南アルプストンネル工事により、上を流れる大井川の流量が減るこ...

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